[LIVE Report]advantage Lucy × Swinging Popsicle 「20」~Happy 20th Birthday !@下北沢CLUB Que 2015.4.29 Wed.

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「20」~Happy 20th Birthday !

【日時】2015年4月29日(水) OPEN 17:30 / START 18:00

【会場】東京・下北沢CLUB Que

【出演】advantage Lucy / Swinging Popsicle / opening guest Hatsukoi Four

【料金】前売り¥3,000 / 当日¥3,300(ドリンク別)


撮影 木目田隆行/文 黒須 誠

ポプシとルーシーの20周年記念対談も合わせてお読みください。

 

 

日本のネオアコの代名詞とも言われている advantage Lucy と三声のコーラスワークが美しい大人のためのギターポップバンド、Swinging Popsicle による20周年アニヴァーサリー・イベントが4月29日に下北沢CLUB Queにて開催された。

 

ともに95年に結成した二組が、今年結成20周年を一緒に迎えたことを記念したスペシャルなイベントというだけあって、会場の地下二階へと続く階段は開演前から長蛇の列ができており、相変わらずの人気ぶりを見せつけた格好だ。

 

オープニングゲストは Hatsukoi Four。昨年青森で開催された「五戸国際ミュージックフェスティバル」にてルーシーと出会ったことが縁で今回参加することになったという。美しく口ずさみやすいメロディが特徴で、一曲目から会場のファンを虜にしていた。Hatsukoi Four のヴォーカル、ジェイクはルーシーの歌で日本語の勉強をしたというエピソードを持っており、彼らのオリジナル曲を披露したあとに、今回誘ってくれたルーシーへの感謝の気持ちとして、advantage Lucy の「splash」と「風にあずけて」をカヴァーで披露。予想外のサプライズに会場は熱気と思いやりのあたたかい気持ちで一杯になった。

 

ふと会場を見渡すとセットチェンジのこの時間になってもファンが一人、また一人と会場の中に入ってくる。何でもたくさんのファンが来場したために、一時入場規制がかかっていたとのことだ。結果論だが、これだったらもっと広めの会場でも良かったのではないか? と思ってしまったのは筆者だけではないだろう。

 

続いて登場したのは Swinging Popsicle。一曲目の「スノーイズム」で三声のコーラスワークの美しさを披露したあと、普段最後に歌うことが多い彼らの代表曲「I just wanna kiss you」、ゲームのタイアップで人気となった「(a)SLOW STAR」を続けて披露。まるで鳴いているかのような嶋田のエモいギターソロに耳を奪われたあとは、ロックナンバーの「Outerspace」と一気にたたみかけていく。

 

「すごい人ですね!」「素晴らしい~こんなにたくさん!」「一生の記念になるイベントになりそう!」と次々と嬉しそうに話すメンバーたちにファンもあたたかい拍手を送る。

 

メンバー紹介のあとヴォーカル藤島が「ちょっとここで大人の雰囲気でやってみましょうか」とソニー時代から歌い継いできているバラード「遠い空」をしっとりと歌い上げファンを魅了する。会場からは感激のため息があちらこちらで聞こえるほどであった。続けてライヴではお馴染みの「Afterglow」、会場の手拍子をバックにハンドマイクで自由に歌い上げる藤島のどこまでも伸びゆく歌声に大きな拍手が送られた。

 

ここで平田が独り、久しぶりのベースラインを弾きはじめると、それにつられて会場もハンドクラップを合わせていく。「次は懐かしい曲です」「自由な感じで楽しんでくださいね」とはじまったのは97年にリリースされた「Ruby」、そしてライヴでも絶大な人気を誇る「Chocolate Soul Music」に、10年ぶりの披露となった「wander in their dreams」で会場の温度は沸点に達した。

 

最後はなんとアカペラコーラスのスペシャルなイントロではじまった「Joy of Living」を披露。会場のあちこちから感嘆の声があがっており、往年のファンの心をギュッと鷲掴みにしていた。「20周年をこの場にいるみんなと、ルーシーと一緒に迎えることができて本当に嬉しい!」と、メンバー各々が感謝の気持ちを示しており、とてもアットホームな雰囲気の中のライヴ。この日はサポートドラマーに元くるりの森信行、キーボードにはVASALLO CRAB75の吉田明広を迎え、数年ぶりとなる五人編成と、いつにないグルーヴで会場を湧かせていたのもつけ加えておく。

 

 

「次はお待ちかねのアドバンテージ・ルーシーでーす!」と先のMCで藤島からのバトンを受けて登場したadvantage Lucy。昨年9月のPOPS Parade Festival 2014、11月の胸キュンアルペジオ以来のフルバンド編成による彼らのライヴは、記念イベントということもあってか、全12曲と大変ボリュームのあるセットリスト。既にあたたまっていた会場にも関わらず、ルーシーがステージに登場するやいなやひときわ大きな歓声があちこちから挙がる。

 

「私がルーシーに加入したときに最初に聴いた曲だったんです」とアイコが紹介した「red bicycle」、同じくLucy Van Pelt 名義で作られた「空は動かずに」と懐かしい曲からスタートした彼ら。二曲終えた時点で既に会場の盛り上がりは最高潮に達していたことからすると、彼らを心底楽しみにしていたファンも多いことがわかる。

 

続けて賑やかなイントロのリフが特徴のアッパーチューン「solaris」、どこか儚げな声が身に染みる「シトラス」を披露し、ここでMCに。

 

「今日は20周年記念なので、はりきってやって来ました!」「でも石坂さんがクロックスのボロいサンダルで来ちゃったので(笑)、さっきABCマートでスニーカーを買いに行きました。そんな20年(笑)」と茶目っ気のある愛くるしい話で会場を和ませるアイコと石坂。キメるところはキメるけど、どこかのんびりしたところもある彼ら。そんな自然体の姿勢が今もなお多くのファンを魅了するのだろう。

 

次はリリース当時彼らの新たな一面を生み出したと話題になった「so」。明るめの歌が多い彼らの中では、シューゲイズ寄りのギターが前面に出たエモーショナルなサウンドが特徴で、この日も石坂・タカタ両名が心地よいギターをここぞとばかりにかき鳴らしていた。先日の対談インタヴューでも藤島が好きだと話していたこの曲。ライヴ前半のハイライトであったように思う。

 

いったん雰囲気を変えて「白い朝」をしっとりと歌い上げた後、ここでスペシャルゲストとして Hatsukoi Four のマイケルがステージに登場。アイコが「マイケルとは去年青森で出会ったんだよね」と話すと「Oh!Yeah!」と英語で応えるマイケル。彼らのやりとりが会場の笑いを誘い、会場はとてもウォームな雰囲気に。ゲストを迎えての最初の歌は彼らのセカンドアルバム『Station』に収録されていた「ナナラミア」。キーボードで参加したマイケルはオルガンパートをなんなく弾きこなし、先のギターと合わせてその多才ぶりを惜しみもなく披露する。

 

「俺もこの曲思い出すの大変だったよ、20年もたつと記憶との戦いなんだよね(笑)」とエレキギターを持ちながら話す石坂に「石坂さん、次の曲アコギなんだよね…」と突っ込むアイコのやりとりがまたもや会場の笑いを誘う。

 

ここで憂いのあるサウンドが特徴の「地球」を一緒に披露したところでマイケルが楽屋に下がると、「じゃあ入口でもらったクラッカーを出して、私がカウントするところでパンとやってください」と話すアイコ。ハイハットの刻むリズムがドラムロールに切り替わり、そこに勢いあるベースのリフが覆いかぶさって「Hello mate!」が始まる。軽快なリズムに合わせて体を動かすオーディエンスが、アイコの「ここだよ!ワン、ツー、ワン・ツー・スリー・フォー」というかけ声に合わせてクラッカーを華々しく鳴らす! 「パーン!」と会場に響き渡った音と紙テープはまさに20周年のための祝砲だったに違いない。

 

そして約1時間にも渡ったステージも終わりに近づいていく。「グッバイ」「週末」と二曲続けて披露したあと、「また10年後にみんな元気で会えたらなと思います」と彼らが最後に選んだのは「Armond」。アイコが吹くピアニカのメロディと駆け出したくなるようなギターサウンドに会場からは惜しみない拍手が送られた。

 

 

盛大なアンコールに応えて登場したのは、Swinging Popsicle と advantage Lucy のオリジナルメンバー5人。「緩い時間がやってまいりました(笑)」と話すアイコと石坂。準備をしながらHatsukoi Fourへの感謝を表したのちにドラムの椅子に座ったのはなんとアイコ。そしてビートルズの「Two of us」からセッションは始まる。

 

「実は美音子ちゃんにルーシーの曲を歌ってもらいたかったんだよね」とアイコが話すと、「それはお互い様だよね」と楽しそうに返す藤島。今回のセッションではポプシ、ルーシーそれぞれの曲を互いに歌うことにしたとのこと。アイコがエレキギターを持ち、代わりに嶋田がドラム席に座ってはじまったのは advantage Lucy の「メトロ」。ハスキーな藤島が歌う「メトロ」はアイコのそれとは違い、大人っぽい印象が強くにじみ出たものだった。

 

そしてセッションラストを締めくくったのは Swinging Popsicle の「I just wanna kiss you」。嶋田とドラムを交代したのはなんとギターの石坂。お馴染みのイントロがはじまり、アイコが歌いだすと、これまた印象がガラっと変わりどこか可愛らしく透明感のある歌になる……ここでふと先日の20周年記念インタヴューで彼らが話していたことを思い出す。二人のヴォーカリストが、各々にしか出せない十分魅力的な歌声を持っているにも関わらず、この20年間互いにいい意味で嫉妬もリスペクトもしながらやってきたことを……盟友である二人の歌い手によるこの日だけのステージにファンが大いに湧いたことは言うまでもない。

 

「20周年おめでとうー!」……会場からもたくさんの祝福の言葉が飛び交った本イベント。ポプシとルーシー、一歩ずつともに歩んできた二組が魅せてくれたステージは、ノスタルジーを覚えたのはもちろん、多幸感にも満ち溢れていた。最後にメンバーが残したメッセージを記して本稿を終えたいと思う。

 

 

アイコ 「またやろうね」
平 田 「次は10年後と言わず5年後にやろうよ」

藤 島 「そうだね、オリンピック感覚でね」

 

 

 







Information

the brilliant green THE SWINGIN’ SIXTIES

オムニバス(advantage Lucy/Swinging Popsicle etc.)

胸キュン☆アルペジオ~Takayuki Fukumura with Friends

2012年11月7日リリース

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Swinging Popsicle 

Do your Homework(Remix)

2014年1月23日リリース

iTunes商品ページ


LIVE Information

公演名:ShingoMinamino“Pure”Night VOL.3~すべては彼のために~

日 時:2015年6月10日(水) 開場 16:30/開演 17:00

会 場:新宿LOFT

出 演:4-STiCKS

    G.D.FLICKERS

    ニューロティカ

    30%LESS FAT

    VERTUEUX

    木村世治(ZEPPET STORE)

    高橋浩司(HARISS,他)

    高橋まこと

    Swinging Popsicle

    松岡モトキ

    billion

    and more  

料 金:前売2,800円/当日3,300円 [1D別]

予 約:e+、チケットぴあ(262-484)、ローチケ(78054)

 

メール予約

下記項目をメールにてinfo@pieces-inc.co.jp までお送りください。

[日程/会場][お名前][ご住所][連絡先][メールアドレス][希望枚数]

 

備 考:経費を除く売上は「南野信吾遺族支援の会」へお渡しします。

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