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risette 森野誠一 MEET MUSIC

 

 

 

 

selected by 森野誠一(risette)

ギターポップと呼ばれて…

ギターポップと呼ばれて…

──オススメの名盤を3枚教えてください。


僕が何をおいてもレコード漁りに熱心だった90年代はギターポップという言葉(ジャンル?)はそれほど浸透していなかったように思います。なので、今でもギターポップの定義にはかなり抵抗があるのですが、1990年辺りの、後に渋谷系と言われた「ものすごい情報量を持ったアーティスト達」出現以前にそのような雰囲気を持っていた好きなアルバムを、今回は紹介させていただきます。

 

 

 


1枚目

Moods for Modern blue tonic

1994/10/21 release

 

Moods for Modern 

blue tonic


年の離れた兄にRCサクセションやRoosters、ブルーハーツなどを聞かされながら潜在的なギターロック少年として育った僕なのですが、兄の部屋で流れている「The shadow of your smile」という曲に何気なく興味を持ちました。

 

後に調べてみるとRoostersの井上富雄さんがボーカルギターを努めていて、オリジナルラブとしてデビューするキハラ龍太郎さんが在籍するバンドで早すぎた渋谷系なんてことも言われていたらしいです。

           

この曲はrisetteでもカバーをしたことがあり、とても思い入れの深い曲なのですが、なにより自分の知識がない時代に聴いていたものと、知識を得て興味を持ったものが繋がっていくところに音楽の最大の魅力を感じたように思いました。

そして今でも音楽を聴くこと、作ることは好奇心によって支えられていると思ってます。

2枚目

Sixteen Tambourines/Baroque Hoedown Three O'Clock, The

1993/09/06 release

オリジナル盤は1983年発表

Sixteen Tambourines 

Three O'clock

 

高校生くらいの頃に、ネオアコ御三家なんて呼ばれていたオレンジジュースの初CD化のライナーノーツにあった「ネオアコ通信」でこの盤が紹介されてい たのを知って、レコード屋を探し回って見つけたもの。


当時のネオアコというとUKインディーポップシーンというのが前提だったように思えるんだけど、一聴 した印象はとてもアメリカン!、よい意味でイギリス的な陰鬱な感じの洒落た空気は感じなかったのです。

                  

後に90年代以降のUSインディーギターポップと呼ばれるようなものの先駆けだったんじゃないだろうかとか、ギターポップ同様、パワーポップていつから呼ばれたんだろ?と思ったんだけど、今振り返ってみるとそれほどアメリカンな印象は受けなかったり、切ない曲調も多いし、まさにイギリスからアメリカへギターポップというジャンルの架け橋をしたバンドなのかなと思ってしまう。

「fall to the ground」は是非聴いてほしいです。

3枚目

ザ・マジック・オブ・ザ・ヘップバーンズ ザ・ヘップバーンズ

2009/12/09 release

オリジナル盤は1988年発表

The Magic of the Hepburns 

The Hepburns

 

大学に入った当時のバンド仲間が、中央線沿いの中古レコードチェーン店「RARE」の中でも特にレアものが多いとされていた荻窪店(現在はないようです)で発見、聴いてみて2人で大盛り上がりした記憶があります。

80年代のスティーリー・ダンと形容されるように、とても洗練されたジャジーな雰囲気なんだけど、溢れ出るロックテイストなギターがなんだかたまらないフェイク感を醸し出していて、本物にはまだ早かった自分の身の丈より少しだけ上にあるようで妙にしっくりきました。

                  

複雑なコード進行と美しいメロディの絡み合いがザ・スミスを彷彿とさせて一気に虜になってしまったのだけど、世間的にはマイナーだったというのも思い入れが強くなった理由だと思います。

2年前に再発アルバムが出ているようなので急いで買ってみました、今の心境で聴くのも楽しみです。

 

──名盤との出合いで印象的なエピソードがあれば。

 

名盤は必然の出会いである、と思っているので、好きなもの興味のあるものにアンテナを張り巡らせていれば必ずどこかで繋がると思ってます。

 

なので、本と同じように最初のうちはとにかくジャンル問わずやたらめったらに聴きました。サンプルがある程度取れたら、サウンド面を中心に、年代や国、バンド編成等でマッピングしていくことを始めていました。これは性格的に自然にやっていたことでしたが、結果的に自分にとっての名盤にも、広く紹介されている名盤にも巡りあいやすくなりました。

 

いまは簡単に情報を得ることも出来ますけど、想像力を働かせたり、足を(レコード屋巡り)をつかって、アーティストの作品に込められている情報量に興味を持って聴くのがやっぱり好きです。

 

 

 

──リスナーに向けて一言お願いします。

僕らはバンド活動を少し休止したあとで、ゲーム音楽に参加することで、また少し露出をさせてもらってお客さんが来てくれるようになりました。

 

そのときはゲームで紹介された「スウェディッシュポップ」という括りに苦しんだりもしたのですが、今ではいい思い出です(笑)。

 

今回はスウェディッシュポップを紹介したかったのですが、3枚にしぼりきれず泣く泣く断念して、もう少し自分のルーツ的なところに振り返ってみました。

 

また機会がありましたら是非よろしくお願いします。

 

 

 

──ありがとうございました。

 

 

 


<ライブ情報>

risette 第1回公演「新しいレコード」

出  演:risette(常盤ゆう、森野誠一、Tsugai)、各ゲストあり

日  程:2011年5月8日(日)

     昼公演 open 14:30/start 15:00
     夜公演 open 18:00/start 18:30

会  場:新宿ハイジア地下1階 V-1

チケット:前売 3,500円 当日 3,500円(新曲付き)

予  約:risetteホームページまで

 

 

 

 

 

森野誠一

(モリノ マサカズ)

risette 森野誠一

risetteのリーダーにしてコンポーザー。1995年大学の音楽サークルで結成。'97年からライヴ活動を開始し、'01年にTiNSTAR RECORDSより1stアルバム「your own sweet way」をリリース。翌'02年、コナミアーケードゲーム「pop'n music」への楽曲提供や、2ndミニアルバム「POWDERY VIEW」発売などを機に活動を活発化させ、'03年4月に自主レーベルFUTABA MUSICよりシングル「baby pink」をリリースする。初期のネオアコ・スウェディッシュポップな路線から現在はジャンルにとらわれない幅広い意味でのポップミュージックを探究している。 

'04年6月にメンバーの再編成を経て、'08年4月に5年ぶりとなるアルバム「risette」をリリース、さらに'10年には結成15周年を記念してベスト盤「Compact Snap!」とレアトラック集「Extras」をリリースした。

また、オフィス北野の芸人・マキタスポーツの音楽的ブレーンとしてラジオ番組の構成作家なども努めている。

次回risetteのライブは5月8日に行う自主企画イベント「新しいレコード」。

 

 

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2011年5月7日

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