サンレコって言うんだ(笑)

ネットとライブで自分の曲を売る方法 ~ミュージシャン・サバイバル・ハンドブック (Sound & Recording Magazine Presents)

ネットとライブで自分の曲を売る方法 ~ミュージシャン・サバイバル・ハンドブック (Sound & Recording Magazine Presents)

 

 

ここ最近の流れで、パッケージメディアであるCDなどが売れず、音楽関係者にとっては大変な時代になってきました。アメリカでは4年前にタワレコが撤退しました。日本でも渋谷系カルチャーをひっぱってきてくれたHMVがここ1,2年で次々と閉店しています(うちの近所のHMVも昨年閉店しました)。

 

ただ音楽ファンにとってはいい世の中かもしれません。

ネットの台頭で、音楽を聴く機会はものすごく増えました。My Spaceなど無料で聴けるサイトもたくさん出てきました。そう、無料の流れがネットを中心に加速化してしまい、その影響で(それだけとは思わないけど)特に音楽業界ではマネタイズ、つまり簡単に言うとミュージシャンが音楽事業で食べていくのが大変になってしまったということです。

 

ミュージシャンにとっても、ファンに気軽に聞いてもらえる機会は増えました。無料で試聴できるのが当たり前になったからです。多くの方に自分の音楽を聴いてもらいたいという欲求を満たすには便利な世の中になったと思います。この本で紹介している内容でも、ネットのツイッターやU-STREAMを使った配信事例などが載っていますが、これをすることでライブハウスに足を運んでもらわなくても多くの人に聴いてもらえる環境が整ってきました。

 

ただプロとしてはCDが売れず印税収入が期待できなくなっていく中で、新たな収益源が必要です。ここ数年の流れを見ているとそのひとつが「ライブ」になっています。昔はライブがプロモーションの場として、あくまでCDを売るためのツールという見方をしていたため、ライブで稼ごうという視点があまりなかったようです。ところが最近はライブやグッズなどの物販が売り上げに大きな影響を持つようになって来ました。気になる方はavexはじめ音楽会社の株主レポートなどを読むとわかると思います。事業構成が変わってきています。ちなみに有名な事例としてはローリングストーンズが新聞社とタイアップして無料で音源を配布し、ライブに集客して稼いだという話がありますよね。プロモーション事例としては非常に興味深いものがあります。

 

話を元に戻すと、この本は世の中の流れを受けて今までレーベルに依存していたプロモーションなどの業務を、ミュージシャン自身が自分たちで行っていくために具体的にどうしたらいいのか、というネットを活用した事例が載っています。駆け出しのミュージシャンやインディーズで地道にやっていきたい人には参考になりそうです。

 

ただ、あくまでひとつの手法が書かれているのであってやっぱり大事なのは本人達の意識、行動力だなあと改めて思いました。自分たちで売っていくということは、全て自分たちに責任や結果もついてまわるからです。いい音楽を作るだけで売れる人は極わずかなので、いい音楽を作ってもそれを売って伝えていく力が必要でそれにはこのネットの環境が便利なので使ったほうがいいということを言いたいのだろうと感じました。特に曽我部恵一さんのインタビューでの考え方は参考になると思います。

 

ただなんだかんだいって、ネット上でも集客が必要でありサイトを立ち上げてもどうやって人を集めるかといった部分についてはあまり詳しくのっていません。見てくれる人がいなければ意味がないのです。やっぱりネットならではの集客方法、ページの作り方とか相互リンクをうまく活用するか、検索エンジン対策なども合わせて必要ですね。このあたりは広告やネットマーケティングの本を参考にしたほうがいいと思いますね。


 

ちなみに私がこのサイトをやっているのも、少しでもポプシはじめとした大好きなミュージシャン達をちょっとでも支えられたらなあいいなあと思ったからなんですが、嬉しかったのはこのサイトを通じてポプシのファンになったり、CDを買ってくれたり、ライブに足を運んでくれる人がいることと、それが少しずつ増えてきたことです。ファンが増えることがサイト運営の励みになります。またこの本を読んで、今までわかっているようでわかっていなかったネットの活用法がいくつかあったので、それらもサイト運営にうまく取り込んでいってミュージシャンの皆様や一人でも多くの音楽ファンをつなげる機会が作れればなあと、改めて思いました。

 

 

ちなみにこの本はサウンド&レコーディングマガジン編集部の本。

 

ゴメスの山田さんが出ているので、彼を知っている知人にこの本を紹介したら

 

「どっから出てるの?」

「ええとサウンド&レコ・・・」

「ああ、サンレコね」

 

 

と話してました・・・

 

今度使ってみよう(^^;