こんばんは、2度めの市村です。きょうは思い出のライヴについて。
ルミナスオレンジというバンドがあります。オルタナティブロックやシューゲイ ザーに分類されることが多いようですが、多くの魅力的なバンドがそうである ように決して既存のジャンルにとらわれず、ヴィヴィッドなギターサウンドを中心としたさまざまな楽曲を聴かせてくれます。
現在はボーカル・ギター担当の竹内里恵さんの1人ユニットで、ライヴでは複数のサポートメンバーを迎えているようです。希少となってしまったライヴ頻度 の中、2011年の3月20日にモナレコードで開かれた自主企画ワンマン「月琴カフェ春は轟々と鳴る」。このとき迎えたサポートの中に、 当時相対性理論の
ドラムであった西浦謙助さんの姿がありました。
ステージを通して、それまでどんなライヴでも観たことのない素晴らしいドラム テクニックを見せてくれたのですが、特に印象に残っている1曲があり ます。
この日のライヴの序盤で、各サポートメンバーが順々に竹内さんとの2人セッ ションを披露するシーンがありました。ここで竹内さんと西浦さんが披露したのが、コーネリアスの「STAR FRUITS SURF
RIDER」!あの凄まじい打ち込みドラムを西浦さんが目の前で見事に再現してくれ、そこに竹内さんの美しいヴォーカルが、山肌を滑る雲のようにふっと乗せられ流れてゆく。私にとって、原曲を初めて聴いたときと並ぶくらいの感動でした。
ライヴの魅力とは、と考えたとき、いつもこの場面を思い出します。完成度の高い演奏だけが望みならCDという媒体があるのに、それでもライヴを訪れるのは どうしてなのか。
十数年ほど前にとある雑誌で読んだ対談の一節に、「切なさ」は「刹那さ」と通 じる、という趣旨の会話がありました。目の前で展開される一回限りの 場面 と、それを受けとめたそれぞれの抱く感情の嵐。どんな高級な録音録画でも取り
返しも再現もできない瞬間。それこそが「せつなさ」の要因のひとつだと。
今回のフェスも、ライヴならではの一回性、ここでしか味わえない演奏や企画をお届けできるよう、いろいろと画策しています。果たしてPOPS Parade Festival は、来場者の「せつなさ」、印象に残るスペシャルな舞台になれるでしょうか。 スタッフ一同がんばります。
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