黒沢健一さんと少し先のこれからのこと

BEST VALUE取材時の黒沢健一
BEST VALUE取材時の黒沢健一

今日は黒沢健一さんの命日ですね。


一年があっという間。
新しい出会いがたくさんあったし、レーベルも立ち上がりとても充実していたけど、音楽仕事に勤しんでいたのは、どこか向き合いたくない自分がいたからかもしれません。(とはいえ取材する過程で散々向き合いましたけどね)

自分のことをふりかえってみるとピエール・バルーさんや渡邊ケンさんの死もショックでした。知っている方が立て続けに亡くなるとね。。。

ピエールさんは昨年初めてお会いして、レーベル運営についてのお話を3、4回聞きにいきました。

ケンさんは以前ソニーでドリカムなども担当されていた方、僕のパブリシストの先生でもあり、僕がパブリシストとして活動しはじめたことを誰よりも喜んでくれていた方でした。

プライベートでも色々ありました。
両親が倒れたときには心底焦りました。幸いなことに二人とも手術が成功して事なきを得ましたが、人生を考えさせられた一年であったことは間違いありません。この間約2カ月近くサイトの更新がほぼ止まってしまい実家との往復などで原稿を書く時間がとれず、ご迷惑もおかけしました。


・・・上手く言えないけど辛いことがたくさんあった一年でした。
もちろん楽しいこともたくさんありましたけどね。

この1年はリリースラッシュでしたよね。
L⇔R、MOTORWORKS、ソロ作品の再発をはじめ、DVDの新作が3作品もリリースされました。そして発売が少し伸びてしまった待望の未発表アルバム『HEAR ME NOW』も。

亡くなった後にこれだけリリースがあるアーティストも珍しいのではないでしょうか?普通はベスト盤や追悼盤が出て終わるのに、未発表の新作が立て続けにリリースされたわけですからね。ファンにとってこれ以上はない一年だったと感じます。それはポリスター、ポニーキャニオン、24th floor recordをはじめ関係者の皆さんの努力とファンの愛情の賜物であって。リリースが続いたのは出したい人がいるからで、それだけ黒沢健一さんが魅力あるアーティストであった証左なんだと、僕はそう思います。



最近僕が考えているのは「これからのこと」です。


取材中の新作『HEAR ME NOW』。この取材がひと段落したら、そのあと健一さんに関する新しい取材はほとんどないでしょう。たまに過去を整理したり、ふりかえる記事を書くことはあってもね。健一さん関係の物語は今回のアルバム取材が最後になるんだろうなと。そして最新作も数年後には過去の作品として扱われるようになる。そして10年後にはカタログとして残された作品を時折聴きながら、こんなすごいミュージシャンがいたんだよ、と友達や家族に、または甥や姪などの親戚に、さらには編集者としても語り続けていくことになるのでしょうね。

 

 

 

どのアーティストの作品にも言えることなのですが。。。残された作品を未来永劫どうやって伝えていったらいいのか?

この問いに正解はないから、一人一人の何気ない行動がそのまま答えになります。

 

じゃあ僕の答えは何なのか?

今はこうして取材して記事を書いたり、レーベルとして作品を発表したり、イベントやることが伝えていくために大事なことだと思っていて・・・それでいいのかは正直よくわからないんだけど、でもそうすることで新しく作品を知るきっかけにはなるから、まずはできることをめいっぱいやっていきたいなと、今はそんな気持ちで「これからのこと」を考えています。

 

次回ポプシクリップ。マガジンとコンピレーションアルバムがその一つのかたち、答えになればいいんですけどね。次回もW表紙なんです。きっと1組はご想像の方になると思うし、コンピレーションにもご想像の方の作品が入ると思います。


ただ、それは過去を振り返るためのものではありません。これからの未来を見据えた内容になっていてそのために収録をすることにしました。コンピレーションに収録するアーティストは8組になりますが、そのクレジットにもぜひ注目していただきたいです。 


とまあ色々書きましたけど、あまり細かいことは気にせず黒沢さんの命日を音楽を楽しむ一つの機会とポジティブに考えて楽しむのが一番の供養になるんだろうなと思うのです。きっと旅先でもライブやっているでしょうからね。


最後まで読んでくださりありがとう。