スカートの澤部渡がこの4月に5枚目のアルバム『CALL』をリリースした。今までDIYで活動してきた澤部だが、今回は星野源やceroを輩出した有名音楽レーベル「カクバリズム」からのリリースということで、これまでとは違った展開も期待される。
近年は毎年のように新作を出していた澤部だったが、昨年はライヴ盤のみでお休みをしていたため、『CALL』は前作『サイダーの庭』以来約2年ぶりのスタジオアルバムとなる。
レーベルに所属したことで制作環境もガラっと変わり「これまでのスカートの総決算」と自信を持って言える作品となった新作『CALL』。彼の拘りについて存分に語ってもらった。
インタヴュー・文 黒須 誠
撮影 ossie
企画・構成 編集部
『スカート“CALL”発売記念ワンマンライヴ』
【日時】2016年5月27日(金) OPEN:18:30 / START:19:30
【会場】渋谷WWW
【料金】前売り 3,000円 / 当日 3,500円
【出演】スカート DJ:臼山田洋オーケストラ
【販売】3月26日発売 プレイガイド:ぴあ(Pコード:294-617)/ローソンチケット(Lコード:72442)/e+
『スカート“CALL”発売記念ツアー』
【日時】2016年6月17日(金) 会場:心斎橋CONPASS
【日時】2016年6月19日(日) 会場:名古屋VIO
──新作のリリースおめでとうございます。まずアルバムタイトルを『CALL』にした理由から教えてもらえますか?
澤部 「単純にこれはアルバムで一番聴いてもらいたい曲だったんですよ。アルバムの主軸になるんじゃないかなって。全く関係ないタイトルにしようかと考えたんですけれど、おさまりが悪くて」
──前に出したアルバム『ストーリー』『サイダーの庭』も同様、収録曲からもってきていましたよね?
澤部 「そうですね、1stアルバムの『エス・オー・エス』以外は」
──じゃあ今回もコンセプトがあって作ったアルバムではないんですね?
澤部 「そうですね。例外はありますがほとんどできていた曲の中から選びましたね」
──どんな基準で選ばれたんですか?
澤部 「色々考えたんですけど、サイダーの庭以降にできた曲の中から選びました。最初は昔の曲を持ってこようかとも考えていたんですけどやめました。スカートの環境も変わりましたし。今回がこれまでのスカートの総決算で、それでも新しいものにする、という想いはありました。12インチアナログに収録した曲も入っていますが、全部新曲ですね」
──現在のスカートができることにこだわりたかった?
澤部 「いや、こだわりたかったというよりも単に出来上がった曲がどれもよかったんで。とはいえ粒ぞろいなんだけど核になるような曲が構想を練りだした頃にはまだなくて。その段階では昔作って正式に録音していない曲も録音候補に入っていましたね。で、[CALL」が出来上がって[ひびよひばりよ]ができあがって昔の曲は今回いいや、ってなったという感じです」
──さっき“環境が変わった”と話していたけど詳しく教えてもらえますか?
澤部 「カクバリズムに入った、ということです。それがものすごく大きかったんですよ」
──何が違ったんですか?
澤部 「それまでは何をやるにしても全て自分で判断していたんですよね。そしてその判断が全て自分の売上や利益、生活とあらゆることに直結していたので、何でも現実的に考えてしまっていたんです。例えば制作のときに“もっといいスタジオで録音したい”“生の楽器を使いたい”といったことがあっても、お財布を見て諦めていたことがたくさんあったんですよ。でも今回はレーベルが制作費を出してくれるようになったり、何かのジャッジを自分一人でしなくて済むようになって余計なストレスがなくなったんですよ。試してみたかったこととかを思い切りやれるようになった。これは大きかったですね」