──今回もがっつり12曲入りのフルアルバムなんですね。
大野 「毎年リリースできるわけでもないので、出せるときに今できるものはすべて出したい、という思いがあります。あと最初[偶数マジック]をアルバム名にするつもりだったので、10曲か12曲にしようと決めていて。結果として違うタイトルになりましたけど(笑)」
──制作にあたってはいつものメンバーのようですが、新しい風を入れたいとは思いませんでしたか?
武田 「今回は特に新しい人に参加してもらおうという話にはならなかったですね。作品を落とし込むときに、新しい人が入ってくるとその人の世界観もあるし、イチから自分達のことを理解してもらわないといけないじゃないですか? その関係性を作るのってなかなか難しいことだと思うんですよね。戦略的にこういう音を入れたいからと頼んで作る、といったやり方もあると思うんですけれども、それよりも自分達からはき出てくるものをスッと綺麗に作るというのがいいなと。周りでどんな音楽が流行っているかなどはあまり考えずに、自分達の中でしっかりとしたものに落とし込むのがいいなと思ったので。その場合はわかってくれているメンバーの方が安心なんですよ。サポートしてくれている石本さんもあっちゃんも、ここ何年か一緒にやっているので」
大野 「曲が必要としていれば色々な楽器の人とやりたい、というのはあるんですけど、アレンジを自分達でゴソゴソとやっているのが好きなのかもしれませんね(笑)。ファーストアルバム『cinematic(シネマティック)』のときはタイトなスケジュールで、知識も時間もない中、先導してくれるアレンジャーがいたのはすごく有難かったし、それを信じてやることができたんですけれど、今は時間もあるし、自分たちで納得いくまで練ることができる環境があって。あの頃よりはできることも増えてきたので」
──音楽に対するモチベーションを維持して作品を出し続けることができるのはすごいなと思うんです。年齢を重ねるとアイデアが枯渇したり、環境が変わったりと、なんだかんだ色々起こって間隔が空いてしまうじゃないですか? wafflesが続けられる秘密はどこにあるのか不思議なんですよね。
大野 「イイ曲作りたいって気持ちがまだあるからでしょうか(笑)」
武田 「特にこうなろうとか決めているものがないので、それでもノーストレスではないんですけれども、そういうところが長く続けられる秘訣だと思うんですよ」
大野 「湧いてくるものがある限りはやれたらと。“別にノルマもないのに、何故そんなに頑張れるの?”とギターの石本君からも言われるんですが(笑)。新しい作品ができたときの満足感や喜びをみんなと共有したいというのもありますかね……」
──今後やりたいことなどはありますか?
大野 「作品を作った以上、曲がもっと広がっていけばとは思うので、それに向けた活動はしていきたいとは思います。私はいつもこれが最後かもしれない、くらいの気持ちでアルバムを作っていて、『次があると思うなよ?』って自分に言い聞かせていて……。本当に、いつ何が起こってできなくなるかわからないじゃないですか? だから大体レコーディング終わると、燃え尽き症候群になってしまって。“もう何も作れる気がしない”とわめいていますが。皆にまたかと笑われながら(笑)」
──それでは最後にリスナーの方に一言お願いします。
ジョナ 「自分で言うのもなんなんですけど、今回かなり頑張って挑んだアルバムなのでぜひ聴いてください」
武田 「作品を聴いて楽しんでほしいです。ライヴも定期的にやっているので遊びに来てほしいなと思います」
木村 「今回リズム、キメのノリで曲の雰囲気が決まっている曲が多いので、そういったところを楽しんで聴いてもらえたら嬉しいです」
大野 「一曲一曲、濃いものに、歌詞もアレンジも、120%注ぎ込んだので、たくさん聴いてもらえる1枚になれば嬉しいです」
──ありがとうございました。
今回もアルバム制作にあたっての思い出の品をお持ちいただきました。
──ジョナさんはUSBメモリなんですね。
ジョナ 「このUSBメモリは恭ちゃんと宅録をやっていたときに、曲のデータをこれに入れて毎週持ち歩いていたので思い出があるんですよ」
──武田さんは?
武田 「僕はこのSONYのヘッドフォンですね。平日はゆっくりと音楽を聴くことができなくて通勤のときに色んなインプットをしているんです。このヘッドフォンはここ2年くらい使っていて、Bluetoothだから無線で満員電車の中でも使いやすいし、密閉型なので音楽の世界に存分に浸れるんですよ。音もいいのでオススメです。ちょっと値がはりますけど、今はこれがないと音楽活動ができないし生きていけない(笑)」
──大野さんは何ですか?
大野 「今年買ったレコーダーです。前使っていたICレコーダーだと細かいところが録れていないことが多かったんですよ。それでいいものを買ったほうがいいよ、と石本君にもつつかれていて。レコーディング前にリハを録音するのに使ったり。練習するのには欠かせない存在ですね」
──最後に木村さん、これは?
木村 「音楽とは全く関係ないんですけれど、ゴルフボール型のマッサージグッズなんです(笑)。ゴルフで疲れた腕を休めるのにいいんですよ」
──それはゴルフだけじゃなくて、ドラムで疲れた腕を癒すためでもあるんですよね?
木村 「もちろんです(笑)」