今年3月に彼らのライヴを初めて見たとき、僕はとてもハッピーな気分になることができた。自主企画イベントでPOLTAやOK?NO!!のあとにトリで出演したShiggy
Jr.は、新人らしくどこか不安気なところもあったけれど、キャッチーなメロディと、元気いっぱいの池田智子のヴォーカルがとても魅力的だったのを覚えている。そして7月にリリースされた彼らのセカンドEP『LISTEN TO THE MUSIC』は、誰もが気軽に口ずさんで楽しく踊れる、そんなパーティ・チューンがずらっと並ぶ作品で、前作とはまた違った新しいShiggy
Jr.の一面を見せてくれた。レコ発イベントもソールドアウト、各地のフェスにも出演し、ますます勢いにのるShiggy Jr.は、今年の要注目バンドの一つである。
企画・構成 黒須 誠/編集部
撮影 木目田隆行
※本インタヴューは「Popsicle Clip. Paper+vol.5」に収録された記事を加筆修正したものです。
──二人とも小さいころから音楽をやられていたんですか?
原田
茂幸(G) 「僕は高校入ってからバンドをずっとやってましたね、大学卒業するくらいまで…。歌いたくてそれでギターを始めたんです。YUIさんが好きで、アコギを弾きながら家で歌っていました。それこそMr.Childrenやマイケル・ジャクソン、X-JAPANにディープ・パープル、ミスター・ビッグと色々聴いていました。ハードロックも好きで昔は髪が背中まであったんですよ(笑)」
池田
智子(Vo) 「私は大学からバンドを始めました。小さいころはピアノをやっていて、高校では音大進学のクラスにいたんですけど、バンドがやりたくて普通の大学に入ったんです。チャットモンチーが好きでバンドを始めようと思いました。大学入ってからはフィッシュマンズやゆらゆら帝国、aiko、YUKIと色んな音楽を聴くようになって、そして特に岡村ちゃん(岡村 靖幸
)が大好きなんです」
──Shiggy Jr.結成の経緯を教えてください。
原田 「大学卒業するときに就職しようか悩んだんです。でも音楽が好きだったので、このまま普通に就職したら絶対後悔するな、と思って。それで卒業してからパソコンを買ってDTMができる状態にして。そして曲を作り溜めたところで、女性ヴォーカルを探そうと思ってFacebookでそのことをつぶやいたんですよ。そうしたら共通の知り合いの人から池田さんを紹介してもらったんです。声を録音してみたら、いいなと思ったのでバンドやろうか?という話になって」
池田 「確かライヴをやりたいね、といった話があってバンドを組みました」
──ちなみにお互いの第一印象はいかがでした?
池田 「初めて会ったときに、白いニットを着ていて”すごく爽やかな人が来たな!”と思いました。あとちょっと変わった人だなと(笑)。会ったとき原田君は2年間ずっと籠っていたから、まともにしゃべることができなかったんですよ(笑)。使っている言葉が少し古かったり、レスポンスよくしゃべれなかったんです。今は普通にしゃべれるようになりましたけど」
──2年間も籠っていたの?
原田 「ずっと家で曲を作っていたら2年間経っていて(笑)。それで、池田の第一印象は、”あ、女の子来たな”という感じでした(笑)。当たり前なんですけど、2年間も籠っていたので・・・。会う前に彼女の声だけは聴いていたんです。大学のときの文化祭で歌っていたときの音源を送ってもらったんですが、その声がすごく良かったんですよ。(こんなに声いいのに)今まで何やってたんだろう?
と不思議に思ってました」