──楽曲についても洋楽の血を受け継いでいますが意識されている部分はありますか?
MEEKO 「メロディーは日本の歌謡曲の影響もあると思います。楽曲はヴォーカルコーラスにリバーブを思いっきり深めにするようにしています。あとはシンプルな楽曲づくりを心がけています」
──OLB の楽曲においてギターはかなり重要ですよね。どの曲もギターのリフやメロディをとても大切にされていて、コード以外のギターがここまで動き続けるの も珍しいと思いました。何かきっかけや理由、リファレンスにしている音楽や表現したいものなどがあるのでしょうか?
MEEKO 「ギターリフが単音で動くフレーズが多いのは、学生の時に聴いていた音楽の影響です。フォールズ(Foals)やエディターズ(Editors)、SPARTA LOCALS (スパルタローカルズ)のギターリフが大好きで、学生の頃に高音単音リフを弾きながら歌うのに目覚めて以来ずっと単音リフが好きです。私の場合OLBでは簡単なコードしか弾きませんが、リードギターっていいなーかっこいいなーって常々憧れています」
──作品の中で特にお好きなギターフレーズがありましたら理由と合わせて教えてください。
MEEKO 「私は[Little Girl]のギターリフのコードの流れが好きです」
YUMI 「好きなフレーズはたくさんあるのですが、中でも自分が弾いてて楽しいのは[Coastlands]です。好きなフレーズは[Take a short breath]の中間です! この曲のギターは春のイメージで、弾いてるとわくわくしてきます!」
──コーラスもいたるところでふんだんに使われていて、気持ちよく聴けました。ドラム含めてメンバー全員がコーラスをとるというのもカッコイイですよね。コーラスワークを多用するのは60年代のUKロックはじめ、ビーチボーイズに代表されるような当時のアメリカンポップスの特徴でもあると思いますが、意識されていますか?
HITOMI 「1stアルバムに収録されている曲でも、[Vivid]を除くすべての曲でコーラスを入れています。その中で全員がコーラスをするのは、HAPPY HAPPY HAPPYなのですが、ライヴのリハには必ず合わせるのがここのハモりです。それくらい、メンバーも重要だと思っていて、聞いてほしい部分でもあります。今後もメンバー全員がコーラスするような部分を増やしていきたいですね」
──メンバーの出会い、バンド結成の経緯を教えてください。
NATTSU 「OLBは元々めーこ(MEEKO)さんのソロバンドでした。めーこさんが元々知り合いだったひとちゃん(HITOMI)を誘い、暫く他のサポートメンバーを加えた四人で活動していました。その後、めーこさんのガールズバンドにしたい! という思いで、めーこさんのサークルの後輩だったゆーみん(YUMI)と、ゆーみんの知り合いだった私が正式に加わ り、ガールズバンドとしてのOLBが出来上がりました。なので出会いと結成はほぼ同時ですが、驚くほどあっという間に仲良くなりました!」
──バンド名の由来は何ですか?
YUMI 「めーこさんが付けたのですが、old レースカラー(しろというかオーロラというかそんな素敵なカラーです)からということと、古いレースのベッドってなんか懐かしいとか、そういうイメージや響きにしたくてこの名前になりました」
──結成時はどんな音楽をやろうと考えられていたのでしょうか?
MEEKO 「結成時はヴィヴィアン・ガールズ(Vivian Girls)みたいなガールズバンドで、かわいさもあるけどかっこよさもある、クールな音楽がやりたいと思っていました」
──メンバーお一人ずつ、影響を受けているミュージシャンやバンドがいたら理由と合わせて教えてください。
MEEKO 「影響受けたミュージシャンやバンドは沢山いますが、1番はヴィヴィアン・ガールズです。OLBをはじめるきっかけになったバンドなので」
YUMI 「わたしは本当に邦楽しか今まで聞いてこなくて、高校時代はYUI(ユイ)がすごく好きでギターを始めるきっかけになりました」
NATTSU 「GRAPEVINE(グレイプヴァイン)が好きです。こんなに、ひとつひとつの曲が作り込まれているバンドってないんじゃないかって思うからです。個人的には、影響受けまくってます」
HITOMI 「影響を受けている、というのは特にないかもしれません。自分は、やることと、聞くことの軸が別々になっているような気がします」
──普段はどこで新しい音楽と出会っていらっしゃいますか?
MEEKO 「レコード屋さんが多いです」
YUMI 「わたしはOLBとして活動し始めてから対バンするバンドが新しいジャンルばかりで常に対バンから新しい音楽、ジャンルに触れてきました」
NATTSU 「YouTubeが多いです。iPodで聴く音楽がなくなってくると、新たな音楽を求めて探し回る時があります」
HITOMI 「ラジオです。ZIP-FMという地元のラジオが好きで、毎日聞いていて、音楽以外の基本的な情報源もほぼラジオですね」
──皆さんバラバラなんですね。曲作りは普段どのようにされているのですか?
MEEKO 「私が宅録で全て完成させたデモを、みんなに渡してスタジオでアレンジして完成させます。 曲作りは、大抵コードから考えてメロディーのせて、ギターリフ、ベース、ドラムをつけて一番最後に歌詞を考えます」
──なるほど、楽曲ありきなんですね。ちなみに経歴を見ると最初の作品がアナログ作品かつイギリスでリリースされています。U.K.リリースのきっかけは? また何故レコードなのですか?
HITOMI 「イギリスの『ダッフルコート・レコーズ(Dufflecoat Records)』というレーベルから、7inchを出させてもらいました。きっかけはというと、音源を聴いたレーベルから、めーこちゃんの個人のFacebookに”レコードを出さないか”というメッセージが送られてきたこと。地球のほぼ反対側から、こんな風にメッセージが簡単に送れるとは、便利な世の中になりました(笑)」
──洋楽の影響を色濃く受けていまが、洋楽のどんなところがお好きですか?
MEEKO 「私はここ数年はU.S.のバンドが好きで、短大に入るまでは、ほぼ日本のロックしか聴いたことなかったのですが、この次はBメロで〜サビで〜やっぱそうくるよね〜っていう展開の読めるアレンジって当たり前だと思ってました。でも、海外の音楽の構成を意識して聴いてみると日本とは明らかに違うと感じることがよくあって。シーポニー(Seapony)の1stは曲の構成の参考にしていました。学生の頃、”サビはもっと盛り上がるように作れ”とか、決まりごとのように大人に言われた記憶があったから、余計にそういう作り方もありなんだ! と影響を受けたし、私には海外の音楽がすごくしっくりきました」