illustrator Mari Shimizu
-Vol.21- 佐久間梓美(Flow The Girl)
デモCDが即日完売!新進気鋭ポップスバンドの教科書的な作品たち。
(2011年11月26日)
-Vol.18- 溝渕ケンイチロウ
(ザ・カスタネッツ/Qube/DQS/KGSS ON THE PEAKS)
ここではないどこかへ、新しい景色を見せてくれる自由な音楽たち。
(2011年08月14日)
-Vol.17- thinKing(TKO new music corporation)
フリッパーズに影響を受けて、レーベルを立ち上げたオーナーの名盤セレクション。
(2011年08月06日)
-Vol.13- 黒沢健一 (L⇔R/MOTORWORKS/curve509)
これから何かをしようとする人、何かに一歩踏みこもうとしている人たちへ向けて。
(2011年06月05日)
-Vol.7- みきを/タク/SUE(three-weeks-old lovesick puppy)
yes,mama OK? も認めた期待のポップスバンドのセレクションとは?
(2011年04月02日)
──MEET MUSIC に寄せて──
フリッパーズ・ギターが解散してから今年で20年。当時、私は田舎に住んでいてまだ小学生で、彼らとは何の縁もない普通の生活を送っていた。音楽なんてほとんど聴くこともなくて、週1回のミュージック・ステーションで流れていた音楽が全て。それでもたまの放課後には友達とカラオケには行きMr.Childrenやスピッツなどを歌っていた気がする。特に音楽雑誌を読むわけではなかったし、ライブハウスという存在さえ聞いたこともない。当然その裏で渋谷や下北沢中心に一大ムーブメントが起きていたなんて全く知らなかった。
上京して間もない90年代後半にさしかかった頃。当時知り合ったばかりの女の子からフリッパーズ・ギターなる存在を聞かされる・・・解散したバンドだけどすごくいいから・・・あとは坂道を転がり落ちるような勢いだった。多くのフォロワー同様に「Hello」のイントロを聞いた瞬間、背筋がゾクゾクした、胸がドキドキした。こんな素敵な音楽があるんだ・・・すさまじい衝撃を受けて、一気に音楽の世界へひきずりこまれていった。ギターポップという言葉を聞いたのもこの頃だった。おりしも時代は渋谷系と呼ばれた時代全盛期。新作が出たら発売日に買った。中古屋をめぐっては廃盤を一枚ずつを集めていった。入手が難しかった英国音楽(米国音楽)が手に入ったときは心が騒いだ。ソノシートが聴きたくて安価なレコードプレーヤーを買った。好きなミュージシャンができれば、彼らのルーツをたどる、そこでまた新しい音楽と出会う。彼らとの出会いは、そこからはじまる長い長い音楽旅行の出発点となり、また素敵な旅路へいざなってくれる道標でもあったように思う。
今になって音楽には流行り廃れがあるということを肌で知る。当時渋谷界隈、ギターポップ、ネオアコの音楽に夢中だった私は一生、その音楽を楽しんで聞いていけると思っていた。でも、多くの音楽カテゴリ同様それは違った。2000年代半ばくらいからかな?とても残念なことに自分が好きなこのジャンルはメディア等でもぱったり見なくなってしまった。同時に周囲でも聴いている友達が少しずつ減っていったように感じる。ブームは終わった・・・。当時10代20代で熱狂的だったファンも、今はあまり表に出てこなくなった。まわりを見渡すと生活環境も変わり会社では中堅になり、また家庭を持つ、育児に追われるなど音楽を聴いたりライブを見に行く環境から少しずつ遠ざかっていっているようだ。
しかしながら新しい動きも感じている。インターネットのおかげでそれまで入手が難しかった数少ない情報を誰もが手軽に得られるようになり、ソーシャルネットーワークにより点在していたファンがつながるようになり、そこから得られる高揚感や一体感などの見えない絆が何事にも代えがたいものになってきている。ファンの大多数を占める30代・40代はもちろんのこと、ライブに足を運ぶとどこで知ったのか、10代・20代の新しいファンもちらほら見かけるようになり、世代を超えてつながるようになってきた。大変喜ばしいことだと思う。
──MEET MUSIC──このコーナーではポップス、とりわけギターポップやネオアコ、そして渋谷・下北沢界隈中心に活動している方々をお招きして、オススメの名盤を紹介していただきます。ベテランから若手まで、ミュージシャン中心に音楽を愛する人達にご協力をお願いしたところ、多くの方に参加していただけることになりました。ゲストの方にはあえて自由に選んでもらっています。どんな音楽が飛び出してくるのか本当に楽しみでなりません。
今回の連載をきっかけに、一人でも多くのリスナー・ファンの皆様に数々の音楽に出会ってもらえたら、そして同時にギターポップシーンなどにも興味を持ってもらえたらこれ以上幸せなことはありません。執筆時では10組程度を予定していますが、好評であれば続けたいと思っています。感想やコメントなどもいただけたら嬉しいです。ご協力をいただいているゲストの皆様や関係者の方々、そして最初にこの企画のご相談をしたときに、いいんじゃない?と背中をおしてくれたSさんに心より御礼申し上げます。
取材・文/編集部
2011年2月06日