──この9年間各自がソロで様々な経験をされてきたわけで、その間のメンバーの蓄積がきっといい意味で新しいMOTORWORKSに取り入れられる、化学反応が起きるのではないかと期待しているのですが?
石田 「だんだん質問がしつこく感じてきました(笑)。メンバーそれぞれの成長はあるでしょうし、色々向上していると思いますが、だからといってそれで何かを成し遂げようとかは、良い意味で考えていないバンドです。ただ、サンコン氏が入ったことにより彼の音楽的趣味(非常に音楽に詳しく、特にアメリカの古いポップミュージックへの造詣は特筆するものがあります)が大きく反映されてくることは予想できます。実際先日のライブでもJB'sの「The
chicken」やRonettsの「Be my baby」のカヴァーをやったのは、彼との普段の会話からそうした音楽の話が多かったからです」
──しつこくてすみませんでした(笑)。石田さんにとって他のバンドではなかった、MOTORWORKSだからできたことってありますか?
石田 「ずっと笑っていていいバンドです。素敵です」
──実は今回MOTORWORKS再始動のお話を聞いたときに、これも石田さん20周年アニバーサリーイヤーの一環だと感じました。昨年9月のデビュー20周年でリ・イシューされたスパイラル・ライフのファースト・アルバム『FURTHER ALONG -20th anniversary mix-
』、昨年9月に再結成され今年3月にリリースされたスクーデリア・エレクトロのライヴアルバム『20th century boys strike back』に続くものだと。そうだとするとやはり何かしらの新たな作品が発表されるのではないかという期待もあるのですが?
石田 「バンド遊びというのはそれぞれの時間的余裕とタイミングがあってこそのものなので、いくら僕が今年何々だからと鼻息荒くしたところでそんな簡単に実現するものではないです。実際9年かかりましたし。まあですが、2014年はMOTORWORKSの結成10周年なので、そろそろやっとかないといけないな、とは思っていました。ですので僕の周年とは無関係です。作品については、皆で暇があえば作るかもしれませんが、今のところ多忙につき未定です」
──先日6月7日には新メンバーによる初めてのワンマンライヴが開催されました。久しぶりのライヴはいかがでした?
石田 「相変わらず楽しいメンバーで楽しいライヴが出来て、お客さんも楽しそうで最高な夜でした。人間的にも技術的にも信頼しあえるメンバーで音楽が出来るというのは実はあんまりないこですので、とても嬉しい夜でした」
──今後の手ごたえにもなったのではないかと思うのですが?
石田 「そうですね」
──再始動の会場に新宿LOFTを選ばれたは?
石田 「このバンドはメンバー全員がそれぞれ異なる企業体に所属しているバンドなので、これを動かそうとなると色々大変でして、10年前はそれがネックになったりもしました。現在は基本的にメンバーが自発的に参加し、どの企業体にも責任やリスクを負わせないという形をとっています。従って、会場を選ぶのにもどの企業体にも頼らず、僕個人の責任において交渉・実行してくれるお店というところでの選択になり、その中で一番キャパシティの大きかったのが新宿LOFTさんだった、ということです。あと、9年前に最後にライブをやったお店でもあるので、そこから再スタートというのも験が良いなと思ったのもあります」
──多くのリスナーが次回作やツアーなどを気にしていると思います。先日のライヴでもサンコンJr.さんからこれからも俺が叩くから楽しみにしてくれと話していましたが・・・具体的なご予定はありますか?
石田 「残念ながら、まだありません」
※2014年7月現在。その後9月1日にツアーが発表されました。
──先日のワンマンは熱狂的なファンによって迎えられました。私も前から5列目付近にいたのですが、曲が始まった瞬間、周囲から押し合いへし合いされて体がいつのまにか軽く浮きまして、気が付いたら胸ポケットに入れていたスマホを落として踏まれたりと(笑)・・・MOTORWORKSには、とても熱いロックファンがたくさんると確信しました。最後に長年復活を待ち望んでいたファンに対してメッセージをお願いします。
石田 「ロックバンドなんて所詮こんなもんだ(良い意味で、です)という形から導き出されるグルーヴこそが最強の熱狂を呼び起こすんですよ、という証明がこのバンドで見せることができたら最高にうれしいです。今後ともあまり期待せずにご期待ください。よろしくお願いします!!!」
──ありがとうございました。
掲載日:2014年9月6日