Pop Brothers from Glasgow Interview
L→ ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)

音楽への情熱があったから作ってきたんだ(ダグラス)

──皆さんは長い音楽キャリアをお持ちなんですが、これだけ長い間音楽を続けられた秘訣は何だと思いますか?

 

ダグラス 「僕達はみんな音楽を作り続けているんだ、初めてレコードを出した25年以上も前からずっとね。僕らみたいなスタンスで音楽を続けて、未だに作品を発表していることが、誰かが音楽を作ってみようとするきっかけになっているんだよ。一部の人々にとって、音楽を作ることは有名になったり名誉を手に入れるということなんだけど、決して僕たちの誰もがそのために音楽を作っていたとは思わない。僕達は未だに音楽に熱心だから作っているんだよ。僕達の関係の大きな部分を占めるものは音楽をやることなんだ。互いに一緒にいることが好きだし、未だ音楽を作ることにドキドキしているからね。十分なお金を稼げないなら音楽をやめるという人たちもいるけど、お金儲けが僕達の動機ではなかったんだよね」

 

ノーマン 「僕が音楽を作るのは、それが僕の気分をよくしてくれるからだしね。それだけさ」

──音楽への情熱があることはわかりましたが、一方世の中には音楽をやめてしまう人や解散するバンドもたくさんあります。長年音楽に携わるにあたり何かされているのでしょうか?

 

ダグラス 「(そもそも)音楽を始めたときは長期的なプランなんて持っていなかったよ。君が10代のときに、20代、30代に何をしているかなんて、ほとんど考えなかったと思うんだよね。音楽を始めたときは僕らはその瞬間をとても一生懸命に生きていたんだ。今、自分が将来何をしているのかについて考えているけど、自分がBMXバンディッツの音楽を作っていないことを想像することはできないよ」

──逆に、これまで音楽を辞めたいと思ったことはありましたか?

 

ユージン 「思いつかないな。もしかしたら50歳になったらリタイアしてダス・マン※4 になっているかもしれないけどね(笑)」

 

ダグラス 「音楽を作るのをやめるなんて想像もできないね。もし音楽制作をやめたとしたら、僕は家の中にずっといるだろうね、何もしないでね。多分、チップスを食べながらテレビ番組を見ているのかもしれないけど。音楽を作りつづけることが(僕にとって)いいことなんだと思う」

 

※4 ここでいうダス・マンとは世間一般の人になるという意味で使われている模様

ユージン・ケリー
ユージン・ケリー

演奏しているときにより自分らしくいられるようになった(ノーマン)。

──長く続けられている中で、10代の頃と今と比べて音楽への向き合い方やモチベーションの違いはありますか?

 

ノーマン 「ステージ上でたくさん動き回らなくなったように思うね…背中や腰が弱くなっちゃったよ。(あと昔と比べて)いいミュージシャンになっていると思う。演奏しているときにより喜びを感じるようになってきたし、考えすぎたり自分がしていることについて心配しすぎたりすることに費やす時間が少なくなってきたね」

 

ダグラス 「音楽をやり始めたとき、自分の人生が変わったかのようだったよ。今は音楽を作っているとき、よりなりたい自分に近づいているように感じるよ」

 

インタヴュワー 「ユージンはどうですか?」

 

ユージン 「(昔と比べて)自信がついたし、リラックスできるようになったし、ステージの上でも楽しめるようになったね」


──ちなみにユージンさんはヴァセリンズの初期アルバムでは反抗的な気持ち(パンク)を歌詞にこめられていましたけどそのスタンスも今でも変わりませんか?

 

ユージン 「ああ。パンクという言葉の意味が自由を表しているのならば、僕はいまでも自由を楽しんでいるよ。そう、僕は未だにロッカーなんだ」

BMXバンディッツはグループではないと言っていいかな(ダグラス)。

──BMXバンディッツには、幅広い世代のバンドメンバーがいて、メンバーもその時々で変わったりもしていますが、その仲の良さは何故だと思いますか?

 

ダグラス 「例えば最新作の『In Space(イン・スペース)』ではノーマンが数曲演奏してくれたのと、’85年にBMXバンディッツのオリジナル・メンバーだったジム・マッカロク※5 が再び参加している。だけどBMXバンディッツが珍しいんだと思うよ。BMXバンディッツは従来からあるようなグループではないからね。例えばビートルズ、ポール、ジョン、ジョージそしてリンゴが常にメンバーであるような、または3人のメンバーが変わらず一定だったティーンエイジ・ファンクラブのように、大部分のグループはこのようなものだよね。でも、BMXバンディッツは広がったミュージック・ファミリーのような役割を果たしているからね。そして僕がお父さん役なんだ(笑)。BMXバンディッツのプレイヤーになり、そして少しの間他のバンドをやって、また戻ってくるんだ

 

ノーマン 「フィンレイ※6 も戻ってきたよね」

 

ダグラス 「そうだね、フィンレイも。彼はBMXバンディッツをやってしばらくの間去って、また戻ってきたんだよね。(ユージンに向かって)もし君がBMXバンディッツにいたら再び戻ってくるいいチャンスだよ」

 

ユージン 「無理だね!(笑)」

 

ダグラス 「はは!ユージンを除いてかな!彼はいつでも”かったるい”からね(笑)」

 

ユージン 「ネバー・カムバック!(笑)」

 

全員 「(笑)」

 

※5 ジム・マッカロクは現在Snowgoose(スノウ・グース)とて活動中

※6 90年代にバンドに在籍していたフィンレイ・マクドナルド、現在はLenzie Moss(レンジー・モス)としても活動中

              

    Interview

Interview Photo

Editor's Voice

Live Photo & Video

 

 

特集記事TOP

 

 

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...