遂に2ndミニアルバム『Route R, one for…』が完成。5月19日(火)渋谷DESEOにて初のワンマンライヴを行なう梨奈。『Route R, one for…』はシルキーで柔らかなヴォーカルの魅力を前面に押し出しつつ、渋木新による透明感あふれるファンタジックなサウンドと、ダンスビートが融合した仕上がりで、前作『sora no aya』と同様にスケール感にあふれるサウンドスケイプながらも、よりアグレッシヴな一面が台頭した印象もある。
これはここのところ積極的にライヴ活動を展開してきたことによるフィードバックも大きいだろう。普段のライヴでは打ち込みトラックを使ったり、アコースティックの編成が多い梨奈だが、このワンマンでは久々のバンド編成ということで、新曲の披露とともにカラフルな彼女の魅力がたっぷりと楽しめるはずだ。そしてこの梨奈バンドをバックアップするのは先述のToySpeakerの渋木新なり、crownshopの中島亮という、同じclearレーベルに在籍する屈指のメロディメイカー達である。彼らは梨奈のどんなところに魅力と可能性を感じて、各々の活動とはまた違ったテイストの楽曲を彼女に書き続けているのか。そしてそれらの楽曲に梨奈はどのように言葉を紡ぎ、歌い続けているのだろうか。3人のスペシャル対談によりこの素敵な出逢いとコラボレーションのストーリーが明らかになる。
Interview text by KAZUTAKA KITAMURA
Design,Layout etc. Editorial Dept.
梨奈
Route R, one for...
2015年5月19日リリース
渋谷DESEOで行われるワンマンライヴにて発売開始!
5曲入り1,500円(税込)
<収録曲>
1.Lady Go!!
2.Tuesday night
3.Time〜桜の記憶〜
4.夢絵-yume-
5.ever spectrum
梨奈1stワンマン&バースデーライヴ ~Route R, one for...~
日時:2015年5月19日(火)開場 18:00 / 開演 18:30
会場:渋谷DESEO
出演:梨奈(バンドセット)
EG:渋木新
AG:中島亮(crownshop)
Ba:峯松つとむ
Dr:北野優
O.A ただイマ、ココろ。
料金:前売り 3,000円 / 当日 3,500円(+ドリンク代)
予約:下記メールアドレス宛にお名前、人数をお送りください。
rinarina.official@gmail.com
備考:当日会場にて2ndミニアルバム『Route R, one for...』を発売!
──新さん、亮さんがそもそも梨奈さんをサポートすることになった経緯は?
渋木 新 「clear レーベルのオーナーの浅野(俊介)さんから“アコギでライヴサポートをやってくれる?”って声が掛かったんですけどその日は無理で。そしたら浅野さん、“適任だと思ったんだけどな…”って結構凹んでいて(笑)」
一同 (笑)
新 「当時バンマスが ToySpeaker でもサポートしてくれているベーシストの遠藤優樹君で。代わりのギターを探そうということで、最終的に亮君がやることになったと聞いて」
梨奈 「2年前の3月だよね」
中島 亮 「そう。浅野さんから“この日空いてる?”って。もうライヴの2週間前だったから、“いったいどんな人のバックなんだろう!?”と(笑)。そしたら梨奈ちゃんからは“当日はよろしくお願いします”ってメールがすでに入っていて、怖いなって思っていたんだけど(笑)。しかもたまたまちょこっとスタジオ遅れちゃって、“あ、すいません”みたいな感じで行ったから。それで初めて行ったスタジオで驚いたのはドラムがいない(笑)」
梨奈 「“あれ、これで全員ですか?”って言ってたよね(笑)」
亮 「浅野さんが“いや、ドラムはなしで”って言うんだけど、“だったら先言ってくれればアコギ持ってきたのに!”って。そのときはエレキを持っていったんですよ。何を言われても対応できるようにエフェクターもいっぱい持っていったのに(笑)。ま、アレンジが進んでいくにつれて、“これ、ひょっとしたら俺アコギのほうがいいですか?”とは言ったんですよ。そしたら浅野さんも“そうかもね”って。その時点では誰もわかってなかったという(笑)。次のリハではアコギを持っていってアコギアレンジに変わっていたんですけど。で、アコースティックライヴをやって、次にバンド編成でやって。そのときに新君が観に来てくれて…あのときが2人は初めましてなの?」
梨奈 「ほぼはじめましてなんだけど…」
新 「お正月くらいにレコスタの調子を観に行ったら、たまたま梨奈ちゃんが仮歌を録っていて。そのとき挨拶したのが初めて」
梨奈 「“ToySpeaker が見学しにきたよ”みたいなことを言われて挨拶したのは憶えているんだけど、ヴォーカルのtaeちゃんに会った印象しか残ってない(笑)」
新 「挨拶がちんちくりんだなって思った(笑)」
梨奈 「真面目に挨拶したけどなぁ。次に clear レーベルの新年会でもあって。そのときの新君は超ムカつく感じで。浅野さんが友達を作らせようとしてくれたんです。“あそこに ToySpeaker の男性2人がいるから”って新君と atsuyoshi さんのところに連れて行かれたんだけど、最後に私が“ありがとうございました”って帰ろうとしたら、(口真似しながら)“ま、大変だけど頑張って”ってエラそうに言われたことを覚えていて…」
新 「そんな言い方してないよ(笑)!」
梨奈 「先輩面してきたって思って(笑)」
新 「いや、その時点では一緒にやるとか決まってないから何て声をかけていいかわからないし。浅野さんとやるんだから大変だろうなと思って(笑)。それで最初の“アコギであの娘のライヴサポートをやってくれる?”に繋がるわけですよ。ちゃんと話したのは夏くらいに観に行ったライヴでなんです。どんな感じで浅野さんと活動しているのか興味もあったから」
梨奈 「それで“どんな音楽がやりたいの?”みたいな話を聞いてもらって。当時のスタッフからは“もっと幻想的な、芸術的な歌詞で歌ってみれば?”みたいな提案があったんだけど、私はそういう歌詞は書けないし、もっと絵が浮かぶような具体的なことを歌いたいってことを言って。しかも実は私は綺麗めな感じのキャラクターじゃなくてみたいな…」
──もうすでにそういう話をしていたんですね(笑)。
梨奈 「そういうギャップを相談していた気がして(笑)。あとオケでやったほうがいいって言われているけれど本当はバンドがやりたいと」
──梨奈さんは clear レーベルにはデモ音源を送ったのがきっかけでしたっけ?
梨奈 「オーディション雑誌を見て幾つか送ったうちのひとつだったんですけど、当時のヴォーカルスクールの先生に作ってもらったオリジナル曲を歌ったデモを送ったんです。というのも、当時のライヴではカヴァーばかりだったのでオリジナルで送りたかったんですよね。そしたら浅野さんから連絡が来て」
新 「そのオーディションの告知に ToySpeaker の写真が使われていたんでしょう?」
梨奈 「試しに送ってみようと思ったときに、その写真を見てなんか真面目そうな気がしたので送ってみたんじゃないかな。その後浅野さんから連絡が来て何度かミーティングしたら、“音源リリースをゴールにしたくないんだ”って言うわけですよ。それで“私はライヴをやりたいんです”って。“オケは嫌なんです、バンドでやりたいんです”ってことを強く言って。そしたら浅野さんは“梨奈にはドラムで左右されてほしくない”って意向で、それで最初のリハはドラムレスだったんです」
亮 「あ、たしかにそれは言ってたな」
梨奈 「ただそのときはドラムの有無で何が変わるのかも私はわからなかったから。なんかあっという間にそういう感じになり、よくわからないながらもライヴをして形になっていったんですけどそれが楽しかったから。亮君に“またお願いできないかな?”って感じで、今度は浅野さんというよりは亮君と話を進めていくようになっちゃった(笑)。亮君でも新君でも、周りのスタッフでも私の話をじっくり聞いてくれたからラッキーだったなと思ってて。だから今にいたるって感じで」
──crownshop や ToySpeaker のライヴは観に行っていたんですか?
亮 「crownshop は観ててくれたんだよね?」
梨奈 「観てた観てた。新君と最初に話したclearの新年会で、crownshop が TOKIO を演っていたんです。それが凄く良かったって話をしていて。その後でたまたま QUE にライヴを観に行ったら、“あの人、この間 TOKIO を演っていた人じゃない?”って。普段はこういう感じの歌を歌っている人なんだって知ったんです」
亮 「そのときは楽屋ですれ違って挨拶したぐらいだったから」
梨奈 「だからお互いにミュージシャンとして意識し始めたのはサポートをしてもらうようになってからなんです。それで遠藤君にベースを弾いてもらっていた繋がりもあってテイクオフ7に ToySpeaker も観に行って」
新 「ただその年の夏くらいには〈愛雨〉のデモはできていて、9月には試しに仮歌を入れたんですよね」
梨奈 「その後、11月にあったイベントで初めてこの3人が集まったかたちでライヴをやって。あのときの編成は7人編成で凄く大掛かりだったんだけど、終わったら浅野さんに“いっぱいいる割に音が薄いね”と言われたのが気になって(笑)。そこから徐々にシンプルになっていったんですけど」