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selected by 溝渕ケンイチロウ(ザ・カスタネッツ/Qube
DQS/KGSS ON THE PEAKS)
──オススメの名盤を3枚教えてください。
決して押し付けがましい訳ではないのに、自分と地平線までの道がスーっと1本通ってしまうような。
それをいわゆる「ザ・人力」「ザ・バンド(THE BANDではありません)」の形態で表現していないモノ。
卓越されたシーケンスとエディット、生楽器との融合。
フレキシブルなユニット感で、自由に音楽を作っている人たちを、あえて選んでみました。
どこか1小節だけが妙にポップであったとすれば、ボクはそれがその曲の印象として強く残ってしまいます。
基本的には微妙なバランスだけど、どこか一箇所がカワイイと、その女の子の印象がキャッチーになるのと
同じノリかもしれません。ニッチかもしれませんが、ボクはそこにポップさを感じるのです。
1枚目
2008/12/24 release |
There's me and There's you the MATTHEW HERBERT BIG BAND
ボクが強烈にシンパシーを覚える男「マシュー・ハーバート」のプロジェクトです。初めて彼の音に触れたのは、1998年の「AROUND THE HOUSE」と言う12インチ盤です。当時、日本では全く市民権を得て居なかったクリックハウス(あくまでハウスのカテゴリーにおいての話です)に、歌を乗せて、キャッチーに昇華させた名盤。 彼はその時々において、複数の名義を使い分けて、その都度、挑戦的なサウンドスケープを残してきています。 |
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その振れ幅や、音楽的基礎知識の高さ、クラブミュージックへの造形、ポピュラリティーミュージックへの造形。 彼のどの名義、どの音源を聴いても素晴らしいのですが、あえてこのアルバムです。 ハーバートの織り成すビッグバンド!まさにメリーゴーランドですよ!ハーバートはいつもボクを、ここではないどこかに連れて行ってくれます。 |
2枚目
2009/04/01 release |
Everything She Touched Turned Ampexian
米国人・スコット・ヘレンのソロユニットです。彼も才人の中の才人。どうやったらこうなるのか? 真面目に考えだすと嫌になるほどのエディットとプログラミング。そのコラージュの完成度は異常です。 ジャズとヒップホップに造形が深い彼ならではのポップ尺度は、ニッチポップこそがポップだと考えるボクにはストライク。生楽器主体の別名義「サヴァス&サヴァラス」で見せるコラージュの美しき世界観も素晴らしいのです。 |
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迷宮に入り込んでしまったのだけれど、出口への道筋を間違わずに歩けているような、そんな安心感のあるドリーミーなサイケデリック。コラージュエディットされて、音が刻まれれば刻まれるほどに、彼のエモーショナルな熱さを感じてしまいます。 |
3枚目
2004/01/27 release |
Map of What is Effortless Telefon Tel Aviv
ユニットの双璧の一人、チャーリー・クーパーは、2009年に30歳の若さで逝去されています。
若き才人の紡ぎ出す音をこれからも聴いていきたかったので、とても残念でなりません。 このアルバムにおける彼らのサウンドプロダクツは秀逸で、1曲目から早くも、その世界観に引きずり込まれます。 美しい楽曲と、切り裂くようなプログラミングエフェクト。 |
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大爆音で聴ける環境があるなら、是非とも聴いて頂きたい!感動で熱くなるはずです。 こんなにドラマティックで美しいのに、どこかに冷たい肌触りが残る。こんな名盤を自分も作ってみたいものです! |
──名盤との出合いで印象的なエピソードなどがあれば。
ボクはいまだに、輸入盤屋さんで12インチのレコードをわりと買っています。どんなジャンルの音楽にせよ、この時代に12インチを作ってリリースしているアーティストには共感が持てるし、強いこだわりも感じます。12インチを作りながら、一方では配信も行っているような。そんな感じで音源をドロップ出来れば理想ですよね。
今はネットで試聴も出来るので、レコード屋で実際にモノを手に取って、直感にビビッと来るような、そんな音源との出会いも減っている気がしています。ボクはまずジャケ買い。これです。あとは、自分がずっと好きなレーベルのモノを買うこと。知らないアーティストであっても。たまには大外れで「名盤との出会い」とは程遠いこともあります。しかし、その逆で、めちゃくちゃイイ音源に当たった場合は、しばらく嬉しかったりね。故に、その音源に対しては想い入れも強くなってしまうので、おのずと「自分の中での名盤」にカテゴライズしがちです(笑)
普段は、本当に色々な音楽を聴いています。
いま自分がやっているバンドの幅を見てもらえれば分かって頂ける気がします(笑)
──リスナーに向けて一言お願いします。
好きなバンドや、好きな音源なんてものは、自分が気に入っていれば、それでOKなんだと思います、その音源の世間的な評価や風評ではなくて。聴いている瞬間は、確実に自分をどこかに連れていってくれるような音楽やライブ。1曲3分とするなら、それは3分間の旅。旅の途中で見る景色は様々で、感情を揺さぶります。新しい景色やヒントを得たいから、また旅に出る。その繰り返しです。単なる音楽好きとして、ボクが音楽を聴き続けているように。恐らく、ここをご覧の皆さんもそうなのではないか?と思っています。
──ありがとうございました。
<作品情報>
<ライブ情報>
7台ドラムの衝撃が帰ってくる
出 演:DQS
Dr1:溝渕ケンイチロウ(ザ・カスタネッツ、KGSS ON THE PEAKS、Qube)
Dr3:高橋浩司 (HARISS、ex.PEALOUT)、
Dr5:ヤマザキタケシ(メレンゲ)、 Dr7:大坪徹志(hare-brained unity、THE ANDS) サポート 藤田顕(PLECTRUM)/平田博信(Swinging Popsicle)
堀越和子(GOME THE HITMAN)
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(ミゾブチ ケンイチロウ)
ザ・カスタネッツ:2001年~現在、Qube:2006年~現在、DQS:2010年~現在、KGSS ON THE PEAKS:2011年~現在、Twilight Set:2011年~現在、セロファン:1993年~2004年。
20代の中頃にポリドール(現ユニバーサルミュージック)、30代の頭にドリーミュージック。そこでの音楽活動を経て、現在は気の向くままに音楽と登山で日々を邁進。フェイバリットは、登山、自転車
4台、読書、ドライブ、サッカー、写真、カレー、ラーメン、ボウリング、搬入、撤収、パトロール、不動産チェック、部屋の模様替え、研磨、出汁作り。
>>>Qube ホームページ
>>>Drums Quick Service ホームページ
>>>溝渕ケンイチロウ Twitter
2011年8月14日
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