──去年見ていて一番凄いなと思ったのは、澤部さんがカーネーションのトリビュートアルバムを手掛けたことなんですよ。
澤部 「ははは(笑)。確かに、僕もまさか大好きなバンドのトリビュートを監修できるなんて思ってなかったので、嬉しかったのと同時に胃の痛くなる作業でしたね(笑)」
──カーネーションのメンバーとはもともと知り合いだったのですか?
澤部 「直枝さんとは面識がありましたけど、それくらいですね」
──大変だった?
澤部 「いや、本当に大変で。結果として出来上がりは良い作品がたくさん集まったし、楽しくできたのでよかったんですけど、曲が上がってくるまでは不安の日々でしたね」
──トリビュートのイベントもやられたんですよね?
澤部 「そうなんです、凄くいい感じでできたんですよ。これでカーネーションがもう一盛り上がりしてくれたらいいなと思ってますね。昔のカーネーションファンだけじゃなくて、新しいファンも聞いてくれたら嬉しいですね」
──今日色々なお話を伺って思ったのだけど、澤部さんは今絶好調じゃないかな。CDは売れているし、大好きなバンドのトリビュートも手掛けているし、傍から見たら凄いことだと思います。
澤部 「実は『サイダーの庭』のプレス・リリースを書いているときに、去年いかに自分が好調だったのかをアピールしたらいいんじゃないかと思って全部書き出していったんですよ。そうしたら自分でもびっくりするくらい好調で(笑)。じゃあなんで今の自分はこんなにしょぼくれた気持ちになっているんだろうと、現実と内面の乖離が始まっていて…」
──でもネガティヴな要素はないんですよね?
澤部 「うーん、確かにないんですけど実は絶好調なわりに、社会の評価が追い付いてきていないんじゃないかという気持ちがどこかにあって…友達のバンドがどんどん大きなステージで、それこそフェスに出たり、リキッドルームでワンマンをやっているのを見るとね(苦笑)」
──事務所によるプロモーションのやり方によるところはあるだろうけどね。やり方、見せ方を変えていく方法もあるけど、変に変わっちゃうと今までのファンが離れる可能性もあるから、難しいよね。
澤部 「そうなんですよね。僕の場合ドインディーズから始めたので、余程のきっかけがないと変われないんだろうなとは思いますね(笑)」
──でも今の澤部さんはいいところがたくさんあるんだから、それを活かしながら音楽を続けていけばトータル的にはそちらのほうがいいとは思いますけどね。
澤部 「確かに。これからも長く音楽続けていきたいです!」
──本日はありがとうございました。