今年で15周年を迎えるインディーギターポップレーベルの『ブルーバッジ(bluebadge)』。大好きな音楽を多くの人に届けたい、ただそれだけの理由で自主レーベルを15年もの長きにわたって続けてきたレーベルには、ギターポップファンにはお馴染みのスパゲッティ・バビューン!やザ・キャラウェイなどの長く愛されているバンドが所属している。
今回15周年を機にレーベルオーナーであるヒグマトシユキさんに、レーベル設立のきっかけからこれまでの活動について大いに語っていただいた。なお明日7/18には高円寺HIGHでアニバーサリーイベントも開催されるとのことなので、お時間ある方はぜひ足を運んでほしい。
インタヴュー・文 黒須 誠
企画構成 編集部
日時:2015年7月18日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:高円寺HIGH
出演:[LIVE] Spaghetti Vabune!/the Caraway/エイプリルズ/the Sweet Onions
[OPENING ACT] イノウエジュン&スギサク(cleandistorti
[DJ/TALK] higuma(bluebadge label)/モリケイタ
[VJ] TDKKKM
[FOOD] milky pop(お菓子販売)
料金:前売:3000円/当日:3500円
予約:イベントページ/e+/高円寺HIGH店頭
前売予約特典:Spaghetti Vabune!とthe Carawayの新作のデモソング入りCDRプレゼント!
──レーベル15周年おめでとうございます。15年も続くというのは本当にすごいことだと思うのですがいかがですか?
ヒグマトシユキ 「音楽はもともと趣味なので、仕事としてやっているわけではないから、一生続けるだろうなとは思っていたんですよ。音楽から離れることは多分ないと思っているので。ブルーバッジレーベルは15周年ですけど、これからも本当に主だったときにライヴイベントやCDリリースはやっていくつもりです」
──音楽は小さいころから好きだったのですか?
ヒグマ 「特にそういうわけでもなかったんです。普通にテレビで音楽番組を見ていたくらいです」
──ちなみに初めて買ったCDは?
ヒグマ 「自分のお金で初めて買ったのはドラゴンクエストのサウンドトラックだったかと思います。なぜそれを選んだのかは全く覚えていないんですけど、多分その時ゲームが好きだったからだと思います。僕は茨城出身なんですけど、何もない街で(笑)、タワーレコードのような大型CDショップもありませんでした。近くに個人のCD屋さんがあってそこで買ったんですよ」
──音楽、楽器経験もあるのでしょうか?
ヒグマ 「楽器経験も全くなくて聴く専門だったんです。高校生のころにフリッパーズ・ギター(Flipper's Guitar)が解散して小沢君と小山田君がソロ活動をはじめたのをテレビで知って…そこからの後追いなんですよ」
──彼らのどこに惹かれました?
ヒグマ 「うーん、テレビに出ているのにテレビに“媚びてない”ってところが(笑)。僕も高校生だったので“媚びてないのがかっこいい”、“どこか普通じゃないな”というのを感じたんですよ。小山田君がコーネリアスで〈What You want〉をやっていたころかな? 二人ともそれぞれ自分の中でひっかっかったんですよね。その後二人がフリッパーズギターをやっていたのを知って、あぁなるほどと思ったんです(笑)」
──そのあとは?
ヒグマ 「フリッパーズ・ギターのあとは、小山田君がやっているトラットリアレーベルを聴いていきました。カヒミカリィとか。そのあとクルーエルレコード、エスカレーターズレコードなどと周辺の音楽を聴いていったんです。このころから徐々にインディーズにハマっていきましたね」
──当時音楽情報はどこで仕入れていたのですか?
ヒグマ 「情報源は新星堂のフリーペーパーでしたね。カヒミカリィのラジオでエア・チェックして、気になる人を調べたり、取り寄せたり。田舎だったからCDが並んでいなかったんですよ」
──90年代半ばはまだインターネットもないころで、それこそ都会と田舎では情報量に圧倒的な差がありました。ヒグマさんも都会に対する嫉妬や憧れがあったのでは?
ヒグマ 「それはもうありましたよ(笑)。自分たちの住んでいる田舎と比べて都会の人たちはなんてキラキラした生活をしているんだろう、と。半年に一回ほど東京に遊びに行っていたんですけど、タワーレコード渋谷やHMV渋谷を見て感動していましたね。フリーペーパーを全部持って帰ったり(笑)。電波か足で稼ぐかどちらかでしたね」
──当時は自分の足で稼がないと、相当意識的に動かないと情報が手に入らなかったんですよね。でもそのかわりに覚えているんですよ、足で稼いでいるから。素敵な音楽に出会ったときの感動はものすごいものがありましたよね。地元でこんないい音楽を知っているのはきっと俺だけだ! みたいな(笑)。
ヒグマ 「わかりますねー(笑)」