もっと広がるポプシ×ヘッドホン・イヤホンライフ♪-

今回は実用性重視で「屋外ならカナル型、屋内ならオーバーヘッド型」という形で取り上げましたが、ファッションの一部として屋外でもオーバーヘッド型を使いたいという人もいると思います。特にデザインにこだわったヘッドホン・イヤホンを出しているメーカーとしては、 Skullcandy、WeSC、NIXON、PHIATONなんかがあります。

「デザイン重視じゃなくて、外でも音質重視でオーバーヘッド型を使いたい！」という人もいるでしょう。そういう人には、HD25-1 IIやATH-ESW9がオススメです。特にHD25-1 IIは音質重視のポータブルヘッドホンとして何年も前から定番の地位をキープしています。

「カナル型は耳に合わない」という人も多いですが、機種によってイヤーピースの形状・材質が色々なので注意が必要です。例えば、女性は耳の穴が小さい傾向 があるのでSSサイズのイヤーピースが付属しているものや"女性用"と銘打っているものを選ぶとよいでしょう。通常付属しているイヤーピースはシリコン製 が多くそれが合わない人もいるようなので、そういう人は"フォームチップ"と呼ばれるスポンジ状のイヤーピースを試してみるとよいでしょう。Comply フォームチップという製品がイヤーピース単品で各種販売されています。

カナル型とオーバーヘッド型以外にも魅力的なヘッドホン・イヤホンは沢山あります。耳かけ型ならKSC75、ネックバンド型ならMDR-G75LW、カナル型ではないイヤホンならEP-AVNAIR等がオススメです。

ヘッドホン・イヤホン以外の機器についても、簡単にお話しておこうと思います。

まずはプレーヤーのイコライザ（音質調整）機能について。
「イコライザは音が悪くなるので使わない方がよい」と言う人もいて、それも間違いではないのですが、より正確には「現状の不満点とイコライザによる音質劣化を秤にかけて、どちらに傾くかで決めればよい」と言った方が適切です。実際には、イコライザで音は劇的に変わる上に最近のイコライザは一昔前のものと比べてだいぶよくなっているので、音質劣化より不満点の改善効果の方が大きいことが多いと思います。

ただし、iPodのイコライザは場合によっては音割れの原因になるので注意が必要です。そういう問題のないものでも、イコライザの使い方そのものに色々とポイントがあったりするので、ネットで調べてみてもおもしろいでしょう。

「ヘッドホン・イヤホンはだいたい好みに合うものが見つかったけど、もっとよい音で聞きたい」-そんな人にオススメしたいのがヘッドホンアンプです。
ヘッドホンアンプというのはヘッドホンを鳴らすために作られたアンプのことで、これを使うことによって一段上の音質を目指すことができます。
ヘッドホンアンプには大きく分けて2種類あります。コンポやPCに接続して使う据え置きタイプのものと、MP3プレーヤー等に接続して使うポータブルタイプのものです。

据え置きタイプの例としては、audio-technicaのAT-HA5000やAUDIOTRAKのDR.DAC2 DX等があります。

最近はUSBでPCと簡単に接続できるものや、"バランス駆動"と呼ばれる特殊なヘッドホンの使い方のできるものも増えていて、楽しみ方にもバリエーションがあります。

ポータブルタイプの例としては、FiiOのE5やNuForceのIcon Mobile等があります。

特にiPodはDockケーブルを使ってヘッドホンアンプに接続すると音質の改善に有効です。DockケーブルにはAUDIOTRAKのAT-iacS3なんかがあります。

ヘッドホンアンプはモデルによって入出力端子等の仕様が大きく異なるので注意が必要です。安いものだと音質改善の役には立たないこともあります。最近は高音質が売りのMP3プレーヤーも増えてきていて、SONYのNW-X1060あたりだと「下手なヘッドホンアンプを使うと音が悪くなる」なんて言う人も多いです。
まずは自分の使いたい入出力端子、予算、音質面の不満点をハッキリさせて、条件に合ったものを探してください。

最後に、少しだけ＋αの助言を。
ここ数年、ヘッドホン・イヤホン業界はとても盛り上がっています。なので、ネット上を探せば沢山の情報が出てきます。例えば「今回の記事を読んでアレとコレが気になったんだけど、どっちにしよう？」と思ったら、その2つの機種名を並べて検索してみてください。運がよければ、その2つを比較している人がいるかもしれません。
それから、どんな音を"よい音"と感じるかは、聴力や感性だけでなくそれまでどういう音に馴染んできたかによっても変わります。そのため、初めて使ったヘッドホン・イヤホンをいきなり「これはイイ！」と思うことはあまりないです。しばらく違いを楽しむような気持ちで色々な曲を聞いてみてください。きっとよいところが見えてくるはずです。

それでは皆さん、よいポプシライフを！

＜用語説明＞

WAVE
Windows標準の音声ファイルの形式。音楽CDのデータを圧縮せずにそのままPCに取り込むなら、普通はこのファイル形式を使うことになります。

MP3
最も広く普及している音声圧縮方式の一つ。128kbpsのMP3なら、WAVEファイルの約1/10のサイズに圧縮できます。

kbps
kilo bit per second（キロビット毎秒）のことで、データ転送レートの単位。数値が大きいほど1秒あたりのデータ量が大きくなります。128kbpsはMP3プレーヤーのデフォルト設定で最も多く使われている値です。

エンコード（エンコーダー）
データを一定の規則に従って符号化すること。例えば、WAVE形式のファイルをMP3形式のファイルに変換することもエンコードに当たる。エンコーダーはエンコードを行うためのソフトウェアのこと。

インピーダンス
抵抗のこと。数値が大きいほど抵抗が大きく電流が流れにくいので、ヘッドホン・イヤホンの場合には音量が取りにくくなります。

感度
ある電力を入力した際にどのくらいの大きさの音が出るかという値。一般的には1mWの入力で何dBの音が出るかが表示されていることが多いです。数値が大きいほど音量が取りやすくなります。

OEM
Original Equipment Manufacturingのことで、他社ブランドの製品を製造すること。

執筆者：He&Bi（「He&Biのヘッドホンサイト」管理人）
2003年、それまで使用していたVictorのヘッドホンが壊れたためSONYのMDR-CD480を購入するも、違和感が気になりaudio- technicaのATH-A900を追加購入。結果、更に強烈な違和感に悩まされる。それをキッカケに次々とヘッドホンを購入、ヘッドホンのサイトを立ち上げるに至る。2009年現在、約300台のヘッドホン・イヤホンを所有。メーカー・価格・仕様・音質傾向にこだわらず幅広い製品を購入し、様々な観点から評価することをモットーとする。

掲載日：2009年12月27日

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