最後に、ヘッドホン・イヤホンの扱い方や気をつけて欲しいことについて簡単にお話ししておきたいと思います。
ヘッドホン・イヤホンは規格がシンプルで、対応機器に接続するだけで誰でも簡単に使えるのが魅力なのですが、それ故にずさんに扱われることも多いように思います。長く使うためには、ヘッドホン・イヤホンは精密機器であると認識すること、肌に直接触れるという意味で衣服でもあるという感覚を持つことが大事です。
具体的には、以下の7つの点に気をつけてください。
1. 衝撃禁止!
落としたりぶつけたりするとヘッドバンドが折れたりして壊れることがあるだけでなく、内部のパーツが外れたりして故障するおそれもあります。そういう意味で、とても"やわ"な製品もあります。場合によっては、それが原因で異音が発生することも。音質のためにも衝撃は与えないようにしてください。
2. 湿気とホコリに注意!
ヘッドホン・イヤホンは内部に金属部品が使われているため、湿気が酷いと錆びて故障の原因になります。お風呂上りなどに使用するのも控えた方がよいでしょう。
ホコリは長い時間かけてたまると音が変わったり、また髪の毛が1本挟まるだけでビリビリという異音が発生したりと、音質への影響があります。なるべくホコリがつかないようにしてください。その辺に出しっぱなしにしている人も多いと思いますが、できれば軽くカバーをかけたり袋に入れたりすることをお勧めします。ヘッドホン用のカバーなんかもあります。
ホコリが付着しても、息を吹きかけたりエアーブローしたりしてはいけません。中の発音部が凹んで、元に戻らなくなることがあります。ホコリは手で取るのが一番ですが、材質によっては粘着テープなどで取っても良いでしょう。
3. プラグ・ジャックは綺麗に!
ヘッドホン・イヤホンのプラグはときどき乾いた布で拭いて綺麗に保ちましょう。ホコリや汚れが付着している状態で使用すると音質に悪影響を及ぼすこともありますし、再生機器のヘッドホンジャックを痛めるおそれもあります。
再生機器のヘッドホンジャックの方は、長期間使わない場合は市販の端子カバーを使うなどして保護してあげるとよいです。
4. 接続は丁寧に!
乱暴に接続したり外したりすると、プラグやコードに思った以上に大きな負担がかかって故障の原因になります。
ヘッドホン・イヤホンを接続したり外したりする際は、片手で接続機器をしっかり押さえ、もう片方の手でヘッドホン・イヤホンのプラグを持ち、まっすぐに抜き挿しするようにしましょう。
5. ぐるぐる巻きはしない!
イヤホンのコードをMP3プレーヤーにぐるぐる巻きにしている人も多いですが、これは断線の原因になります。
(例)プラグの根元でコードが曲がって断線しやすいです。
特にプラグの形状がストレートのものだと、プラグの根元に負担がかかりやすいので危険です。
できればケースを使ってください。専用のケースが付属しているイヤホンもありますし、市販のケースもあります。
6. 消耗品は交換を!
ヘッドホンのイヤーパッドや、カナル型イヤホンのフォームチップは消耗品です。痛んできたら交換しましょう。最初から交換用のものが付属していたり、メーカーによっては部品だけを購入できることもあります。交換できるかどうかわからない場合にはメーカーのサポートセンターに質問するのが基本です。
交換できないなら、レザータイプのものなら中性洗剤を染み込ませた布で拭き、布製のもので取り外しできるものなら洗濯(中性洗剤で軽くもみ洗い)するといったメンテナンスでも構いません。
音質面から見ても衛生面から見ても、消耗品の手入れは重要です。なお、レザータイプのものは普段から使用後に乾いた布で拭くようにすると長持ちします。
7. 耳掃除は適切に!
ヘッドホン・イヤホンの扱い方ではありませんが、音楽を楽しむには耳のメンテナンスも大切です。
耳垢がたまっていると聞こえが悪くなりますし、カナル型イヤホンの場合にはフィルターに耳垢が詰まって音が悪くなったりします。
とは言え、耳掃除のやりすぎも禁物です。硬い耳掻きで頻繁に掃除するのは耳への負担が大きく、それで耳を悪くして耳鼻科にかかる人も多いのです。
普段は入口付近だけ軽く掃除して、数ヶ月に一度耳鼻科で掃除してもらうのがベストです(大抵の耳鼻科は耳掃除だけでも受診できます)。「耳鼻科で耳掃除してもらったら音がよくなった!」という人もいます。お試しあれ。
ちょっと長くなりましたが、快適なヘッドホン・イヤホンライフを送るにはどれも重要なことです。最初は面倒でも慣れれば普通になってしまうことばかりなので、できるところから始めてみてください。
それでは、今回のヘッドホン・イヤホン特集はここまで。
今回の記事が皆さんの音楽ライフに少しでも役立つよう祈っております。
執筆者:He&Bi(400万以上のアクセスを誇る「He&Biのヘッドホンサイト」管理人)
2003年、それまで使用していたVictorのヘッドホンが壊れたためSONYのMDR-CD480を購入するも、違和感が気になりaudio-
technicaのATH-A900を追加購入。結果、更に強烈な違和感に悩まされる。それをキッカケに次々とヘッドホンを購入、ヘッドホンのサイトを立ち上げるに至る。2011年現在、300台以上のヘッドホン・イヤホンを所有。メーカー・価格・仕様・音質傾向にこだわらず幅広い製品を購入し、様々な観点から評価することをモットーとする。
掲載日:2011年6月5日
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