──この18年間で音楽を続けていくことを迷われたときはありますか? またどうやって乗り越えられてきたのでしょうか?
川本 「迷ったときは、元に戻ったらいいんじゃないですかね。だいたいそうするかな~。次は慎重に行く事ですね(笑)。乗り越えるとは、勇気を出して塀を登って壁伝いに歩き、気の済んだ所で降りたらそこをゴールとした、とかかな?楽しいですね!」
──川本さんにとって運命的な出会い、この人がいたから今の自分があるといった方はいますか?
川本 「今のレコード出してもらってる金野さんは影響大きいです」
──最近は神聖かまってちゃんとのコラボレーション、ぱいぱいでか美さんへの楽曲提供、サンドアートを使った絵本「ぼくね、ほんとうはね。」 の作家活動など、表現者として様々な活動をされていますが、これらの活動を通して得たものや感じたことなどがあれば教えてください。
川本 「かまってちゃんや、でか美ちゃんは、配信とかツイートをたくさんしているので、真似してやってみました。気軽さがいいなと思って。絵本はお母さんと一緒に子供が読んでくれたらうれしいです。絵本いいですよね。私にとっても癒しです。関係者の方が自分の事を理解していてくれて、そのまま好きなようにやってくださいとおっしゃってくれるので、全部とっても楽しかったです」
──またライヴも積極的にこなされており、先日の七夕ライヴではセーラーカラーの衣装に身を包んで昨年リリースされたアルバムにも収録されている「FUNCTION」「願いがかわるまでに」や「フロントメモリー」などを熱唱されていました。今後も様々なイベントに参加されるようですが、ライヴへの抱負などありましたら。
川本 「ライヴの数は少ないですが是非来てください!」
──最後になりますが今回のリマスター盤の魅力を精一杯アピールしてください。
川本 「洋服屋やカフェで流れていて、”これ誰ですか?”と聞かれるような作品をめざしました!」
──ありがとうございました。
1974年1月19日 福井県福井市生まれ 血液型O型。仁愛女子高校音楽科、仁愛女子短期大学音楽科卒業。ソニーミュージックSDオーディションを経て、1996年、岡村靖幸プロデュースによるシングル「愛の才能」(ソニーレコード)でデビュー。「DNA」「1/2」とシングル作品が連続ヒット、デビューアルバム(97年)『川本真琴』はミリオンセラーの大ヒットとなった。日本レコード大賞優秀アルバム賞受賞。1998年シングル「桜」 、1999年シングル「ピカピカ」2000年シングル「微熱」「FRAGILE」を発表。2001年セカンドアルバム『gobbledygook(ゴブルディグーク)』を発表。女性シンガーソングライターの枠組みから大きく逸脱したサンプリングと編集を駆使した音像世界は、近年「早すぎた傑作」と評価されている。同年、七尾旅人と共同プロデュースしたシングル「ブロッサム」を発表後、02年メジャーとの契約を解消。プライベートオフィスを設立し自身で原盤制作を開始する。
その後インディーズで活動するミュージシャンと交遊を持ちながら、独自の音楽世界を模索。主に小規模のライヴハウスにゲスト出演し、制作途上の楽曲を発表していくスタイルで音楽制作をすすめ、2005年 カネボウ化粧品「ALLIE」CMソングとして「涙の太陽」を歌唱したほか、2006年にはもりばやしみほ、朝日美穂とともにユニット「ミホミホマコト」を結成。ミニアルバム「mihomihomakoto」、Tiger Fake Fur名義のシングル「山羊王のテーマ」を発表した。2009年には第64回毎日映画コンクールドキュメンタリー賞受賞作「あんにょん由美香」の主題歌「ほんとうのはなし」(作詞/曲 :豊田道倫)を歌唱するなど、マイペースながらもコンスタントに音楽活動を続ける。
2010年に前作からおよそ9年ぶりとなるサードアルバム「音楽の世界へようこそ」発表。インディーズ作品では異例のYahoo!Japanのトップトピックスで取り上げられ、大きな話題となった。収録楽曲「アイラヴユー」のビデオクリップはYouTubeで48時間以内におおよそ20万回近くの再生を記録。生活の中から生まれた題材を鮮やかな審美眼で描き、メジャー、インディー、国内外、様々なミュージシャンと自然体に奏でられた脚色の無い作品群は、静かなる感動をもってシーンに受け止められた。その後2011年に住所不定無職、スカート、三輪二郎らを迎えた作品「フェアリーチューンズ」、2012年には交遊のある写真家佐内正史と新作4曲入りCD+60ページに及ぶミニ写真集という形態の「川本真琴 and 幽霊」、2013年にmabanuaとの共同プロデュースによる新作「願いがかわるまでに」と毎年のように作品を発表している。
近年ではAKB48の峯岸みなみ、竹達彩奈、ぱいぱいでか美らに楽曲提供、今年3月には神聖かまってちゃんのシングル「フロントメモリー feat.川本真琴」にゲストヴォーカルで参加したほか、5月にはこれまでにないサンドアートを使った絵本「ぼくね、ほんとうはね。」刊行するなど、アーティストとしての活動は多岐に渡っている。
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掲載日:2014年7月21日