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ルルルズ 色即是空 発売記念インタヴュー
L→ 行達也、モミ

イエスやキング・クリムゾンは何度も聴かされていました(モミ)

──そもそも音楽を始められたきっかけを教えてください。

 

モミ 「小さいときからピアノを習っていたので、音楽は好きだったんです。自分もピアノで表現をしていましたし、家族も音楽を好きだったんですよね。父親はリスナー専門だったんですけど、すごくマニアックな音楽までよく知っていて、音楽オタクだったんです。あと妹もピアノをやっていたし、母親は自分でギターを弾いてポプコン※にも出ていたんですね」

 

 「お母さんはポプコンの東北大会で特別賞を取られていて、レコードを出すかどうかってところまでいったんだよね」

 

モミ 「そうなんです。結局レコードは出さなかったんですけどね。そんな感じで家族みんなが音楽好きだったんです。私もずっと好きで音楽をやっていて、高校の時はブラスバンドや合唱もやっていて、それで大学受験のときに何をやりたいんだろうなと考えたときに、経済学科など一般の学部学科はピンと来なかったんですよ(笑)。それで当時の音楽の先生にも相談をして、大学でも音楽をやることにしたんです」

 

※ポプコンとはヤマハ音楽振興会が主催していた「ヤマハポピュラーソングコンテスト」の略称。1969年から1986年まで行われたフォーク、ポップス、ロックの音楽コンテスト。佐野元春や長渕剛、CHAGE and ASKA、クリスタルキングなど多くの歌手やバンドがこのコンテストで入賞しデビューを果たしており、一時期はスターの登竜門とも言われた。現在はミュージック・レヴォリューション(Music Revolution)に名称変更されコンテストの位置づけも変わっている。

 

──大学での専攻は何だったのですか?

 

モミ 「音楽教育です。私はピアノが特別うまいわけでもなく、声楽が特別できたわけでもなかったので全部学べるところがいいんじゃないかと思ったんです。教員免許も取れるということで」

 

──最近音大卒のポップ・ミュージシャンが増えている気がしますね。カメラ=万年筆やこの前お話を伺ったスカートの澤部さんもそうだし。

 

 「確かに、皆さん音大出ですよね。でも僕が思うに音大でも専門学校卒業でもなんでもいいんですけど、そうやって音楽の勉強をしてきた人が、正統派という表現は違うかもしれないけど、裏付けをもってる人がやる音楽に興味はあります。まあ僕はそういう意味では違うんですけど(笑)」

 

──バンドって高校時代にギターを買って、コード覚えて曲弾き始めてその延長でバンドを組んで…といったパターンが非常に多いですよね。ですから音楽理論をきっちり学んだ上で、クラシックには行かないでポップスの世界にハマッていくのは珍しいかもしれないですね。

 

モミ 「確かに大学時代に、私の周りでバンドやっている人ってほとんどいなかったんですよ。ビートルズを挙げてみても『名前は知ってるけど曲は聴いたことない』という人ばっかりで(笑)、逆にびっくりしました」

 

──音大卒のポップスバンドの人にお話を伺うとみんな同じことを言いますね(笑)。大学では音楽の話がなかなかできないって。そういう人達の集まりが音大なのかもしれません。ところで先ほど椎名林檎さんが好きだと話されていましたが、洋楽はいかがですか?

 

モミ 「洋楽はあまり通ってこなかったんです。ただ父親の影響でプログレ、イエスやキングクリムゾンは何度も聞かされていて。クラシックで有名な[展覧会の絵]も、最初はプログレバンドのエマーソン・レイク&パーマーがロックアレンジしたバージョンから入りました(笑)」

盛り上がる二人
盛り上がる二人

若いメンバーの感性があるからこそ、今の時代の音になっていると思う(行)

──行さんはいかがですか?

 

 「父親はマーラー、母親が小椋佳 が好きでしたね。あと両親ともにポール・モーリアが好きでその影響も受けました。まあ昔から音楽が好きで以前はCDショップでバイヤーもやっていましたし、バンドもちょこちょこやっていたんですけど、聴くのと自分でやるのとはまた違っていて。CDを出すようになったのはここ最近なんです。それこそユメオチがデビュー作だったので、今回が人生のセカンド・アルバムですから(笑)。46歳のセカンドアルバム、頑張れオヤジバンド!的な感じで(笑)」

 

──行さんはご自身と一回りも二回りも違う方と一緒にバンドをやられています。 同世代の人ではなく、あえて違う世代のメンバーとやっているのは何故なんでしょうか?

 

 「世代が違うメンバーだからこそ、助けられている部分がたくさんあるんです。僕が作る曲の完成度、こういう風にしたい、というのは頭の中では60%程度なんです。それをスタジオに持ちこんでメンバーで創ると100%になる。そのときって当初のイメージと全く違うものになるんだけど、それはそれでOKなんですよ。若いメンバーの感性があるからこそ、今の時代の音になっているわけで。メンバーを選ぶのは天才かもしれないなとは思います(笑)。それで今の音になっているからこそ、今回のアルバムもタワレコメン※に選んでもらえたし、色々なお店の店頭で面展開をしてもらえたと思うんです。あとは同世代の人でバンドをできそうな人が近くにいないってのもありますけどね。僕の場合、同世代で知っている方となると、すでにベテランの方々ばかりなので(笑)」

 

※タワレコメンとは全国展開しているCDショップチェーンのタワー・レコードで、お店のスタッフが各自の「耳」と「直感」を信じて選んだ、まだ世間で話題になる前のアーティストをいち早くピックアップした作品。タワレコメンに選ばれると専用のステッカーがパッケージに貼られて、店頭で面展開されたり、ホームページの専用コーナーで紹介される。

行達也
行達也

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