humming parlour 食べすす

アルバムリリースのきっかけはモナ・レコード店長のユキさん。ユキさんの一言がなかったら今でも出せていなかった。

──ハミパラの活動を見ると2005年の結成以降、2年前のライヴアルバム発売まで6年、今回のスタジオアルバムまで8年と大分かかりましたね(笑)。

 

kawaie. 「実はどうしていいかわからなかったんです。作品を出したい、レコーディングをしたいという想いは持っていたんですけどやり方がわからなくて。この間ちょいちょいコンピに参加させていただいたりはしていたんですけど、いざアルバムを作るとなったときにどのようにやったらいいのか、何をしたらいいのか・・・。伊東さんも私も引っ張るタイプではなかったというのもあると思います。周りでは結成半年でミニアルバムを出している人たちもいて、“どうやっているんだろう?”と不思議に思ってたくらいで(笑)。あと、コンピのように締め切りがあると一生懸命頑張るんですけど、いざ自分たちでとなったときは、あまり動けなかったんです」

 

──2年前にライヴアルバム『answer in the halfway,』を配信でリリースされましたよね?あのときはどのように目標設定されたのですか?


kawaie. 「あのときは、その年に演奏したライヴが自分自身ものすごくよかったんです。だから記念に音源として残しておきたいという衝動があったんです。だからできたんだと思います」

 

──今回の『食べすすんでいくと、少ししょっぱい。』はいつごろから?


kawaie. 「当初は去年の末に出す予定だったんですけどね(笑)。きっかけはモナ・レコードの店長でいらっしゃるユキさんなんです。一昨年の末にユキさんから“最近どんな音楽をやってるの?”と聞かれて、携帯に入れていたデモを聞かせたんですよ。そうしたらユキさんから、“いいじゃん、これ出そうよ!”って話になって・・・それがきっかけでした(笑)」

 

──その時、聞かせた曲を覚えています?


kawaie. 「今回のアルバムにも収録している「triangle of the heaven」と「リーチ」ですね」

 

──なるほど!特に「triangle of the heaven」は疾走感とアレンジのこだわりがリスナーに響きやすいと個人的には思っていましたので勝手に納得してしまいました(笑)。しかしユキさんが後押しをしてくれたのはきっと何かインスピレーションがあったのでしょうね。

 

kawaie. 「ノリかもしれないですけどね(笑)。ユキさんの一言がなかったら今も出せていなかったと思うので、とても感謝しています」

 

表現したかったのは“可愛いだけだと思うなよ!”っていう点ですね(笑)。

──アルバムで伝えたかったものは何ですか?


kawaie. 「表現したかったのは“可愛いだけだと思うなよ!”っていう点ですね(笑)。ハミパラがリスナーから見て「可愛いギターポップ」の枠組みの中にいるとしたら、“幸せいっぱいのルンルンだけの音楽ではないよ!”という想い、アルバムを通して色々なハミパラを見てもらいたいという考えがありました」

 

──ギターポップというジャンルにカテゴライズされるのは嫌なんですか?


kawaie. 「そんなことないですけど、それだけの枠に収まりたくないなという感じですね。“ギターポップバンドの新譜が出た”と思われたくなかったので、楽曲選びやアルバムタイトル、ジャケット・ワークなども含めて色々な視点で捉えてもらえるように作りました。アルバムのために新たに作った曲はないんですけど、最近のハミパラの曲のほうが自分の気持ちにしっくりくるので、今まで作った曲の中から最近の曲を中心に選んで収録しました」

 

──楽曲のお話が出たところで、普段はどのように制作されているのでしょうか?

 

kawaie. 「きっかけの部分は伊東さんが作っているんですよ。でも“いいアルペジオできたよ”とか、ワンフレーズだけのことも多いですけどね(笑)。携帯で録ったコード進行を伊東さんが私にメールで送ってきて、それに私がメロディをつけて歌ったのを録音して送り返してやりとりをすることが多いです。その過程で煮詰まると、“じゃあスタジオ入ろうか”となり、二人でつめます。歌詞は夜な夜な書いているとかそういうことはあまりなくて、移動していることが多いので電車の中が主ですね」

 

──デモを構築するタイプではない?


kawaie. 「全然違いますね(笑)。稀に完成度の高いデモが出てくることもありますけど・・・」

 

──スタジオで二人っきりで煮詰めると・・・喧嘩になったりしません?


kawaie. 「喧嘩はないけど・・・静かになることはありますね(笑)。そのときはいったんジュース買ってきたりしますけど。二人って大変だなあと思います」

 

──でも人数がいるバンドはもっと大変ですよ。


kawaie. 「うーん、でもこれからはもっとバンド感を出していきたいので、大人数でやってみたいという想いはありますね」

 

──レコーディングはどのように進められたのですか?


kawaie. 「ベースとなるオケは伊東さんが作っています。ピアニカ、鈴、タンバリン、ツリーチャイムや鉄琴などは私がのせています。ミックスはCorniche Camomile (コーニッシュ・カモミール)の桜井康史さんにお願いしました。演奏に加えて打ち込みも使ったのですが、そこを桜井さんが臨場感ある仕上がりにしてくれたんです。桜井さんはLittle Lounge*Little Twinkleのきだしゅんすけさんに紹介してもらったんですよ。きださんにも一曲アレンジをしてもらいました」


──それはいい出会いでしたね。

 

            

 

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