──アルバムタイトルも気になりますね。
kawaie. 「仕事も恋愛もバンドも最初は美味しいけど、段々続けていくとしょっぱいことも色々起きてくるよね、ということをそのまま例えた感じですね。これはランチでリゾットを食べているときにぱっと思いついたんです。さっきの“可愛いだけじゃないよ!”、というところにも通じています。嫌な部分とか喧嘩したりとか泣いたりとかって、全てのことに“絶対についてくるもの”という意味ですね。このアルバム作成も辛いことが多かった・・・(笑)。タイトルは長いので「食べすす」って呼んでください」
──辛いことばかりなんですか?デビューアルバムはモチベーション高い人が多いですけどね。
kawaie. 「そう、でも右も左もわからなかったのですごく怒られたし、周りの人にとても迷惑をかけてしまったんです。それが辛くて。やらなければいけないことはわかるんですけど、一曲一曲仕上げていく過程で色々あったんです。曲のアレンジを詰めていく中で行き違いが起きてしまったり、それこそ引きこもったりもしてしまったんです。それで年末発売予定だったのが半年遅れてしまったんですよ。私も苦しくてどうしたらよいかわからなくなったので、ユキさんや、きださんにも相談に乗ってもらいながらなんとか乗り越えることができたんです。そんな体験もアルバムタイトルに反映されている気がします」
──しかしこのジャケットやタイトルはリスナーにはわかりづらいかもしれませんね。
kawaie. 「そうやって心に引っかかってもらうことが狙いだったりするんです。そのまま「わからない・・・」となったら残念なんですが(笑)。ギターポップとも何のジャンルかもわからないジャケットにしたかったし、使っている紙もあえてそれっぽくないものを選びました。タイトルにある食べ物もどこにも出てこないけど、“うん?これ何だろう?”と思ってくれたらそれでいいのかなと」
──でも話を聞いていて、だからこそkawaieさんはギターポップを強く意識しているのだなと感じました。
kawaie. 「うーん、意識している・・・なんなんでしょうね。ただギターポップの世界って、どうしてもスモール・サークルのイメージがあるんです。ハミパラは今そこに留まっているような気がするんですよ。だからこの一枚をきっかけに幅を広げられたらなあと思っています。それこそCDはレコードショップだけではなくて、雑貨屋さんやカフェ、本屋さんにも置いてもらえるようにしたいと思っています」
──それではポプシクリップ。でイベントを企画する際は少しバリエーションがあるブッキングでお呼びさせていただきます(笑)。
kawaie. 「ぜひぜひ(笑)」
──これからのハミパラについて何かありますか?
kawaie. 「ハミパラはこれまで二人ユニットだったんですけど、これからは私が中心となりつつ、キャラバンみたいな考え方で進めていきたいと思っています。伊東さんも含めて、みんなメンバーという感じで、多くの人に参加してもらいたいと思っているんです。でもこれはサポートとも違っていて、都度参加してもらうメンバーには思いっきり頼りながら、その場にいるみんなで作るという面を出していければと思っています」
──それは・・・重たい決断ですね。その場合何をもってハミパラを定義していくのか、難しい舵取りになる気がします。
kawaie. 「まずはサポートという言葉をなくしたかったんです。サポートとメンバーでは意味が全く違いますから。たくさんの人に参加してもらいながら、その時参加できるメンバーと力を出し切って協力しながらいいものを作っていきたいんです。仕事でいうと参加型のプロジェクト制みたいなイメージですね。私はほとんど歌うことしかできないので、「メンバー」という気持ちで一緒にやってくれる人達が、都合の合うときに参加してくれて、その時集まったメンバーで出来る最大限の事をみんなでやる、っていう風にしていきたい。LittleLounge*LittleTwinkleでは杉本清隆さんがドラムで参加したり、反対に杉本さんをきださんが手伝ったり・・・互いに助け合っていて、理想的です。ということで、ただいまハミパラはメンバーを大募集中なのでそこのところPRしておいてください(笑)」
──わかりました。原稿に必ずいれておきますね(笑)。